333 ページ33
私はその写真の中で一際目を引く魔女を見つめた。ゴクリと唾を飲み込んで恐る恐る目を動かす｡
写真では、長い黒髪に櫛も入れられず、ばらばらに広がっていたが、私はちゃんと覚えていた｡
その髪が滑らかでふさふさと輝いている姿を確かに見たことがある｡
写真の魔女は、腫れぼったい瞼の下から私をじっと睨み込み、唇の薄い口元に人を軽蔑したような尊大な笑いを漂わせていた｡
シリウスと同様、この魔女もすばらしく整っていたであろう昔の顔立ちの名残りを留めていたが……
────恐らくアズカバンがその美しさを殆ど奪い去ってしまったのだ｡
シリウスは例外に奪われはしなかったが
フランクならびにアリス・ロングボトムを拷問し、廃人にした罪｡
またゴクリと唾を飲み込むと隣にいるハーマイオニーが肘で私を突き、写真の上の大見出しを指差した｡
ベラトリックスに気を取られてばかりいた私は、まだそれを見ていなかった｡
ブラックの仕業か否や────
『冗談でしょ……』
シリウスの仕業で脱獄したと疑ってるの？シリウスは無実だと判明しているのに｡
私は黙って気まずい沈黙の中、新聞に目を通していく｡
──── 昨夜遅く、魔法省が発表したところによれば、アズカバンから集団脱獄があったとのことである。
魔法省大臣は、大臣室で記者団に対し、特別監視下にある十人の囚人が昨夕脱獄したことを確認し、すでにマグルの首相に対し、これら十人が危険人物であることを通告したと語った。
「まことに残念ながら、我々は二年半前、殺人犯のシリウス・ブラックが脱獄したときと同じ状況に置かれている｡今は無実が判明したが信じれる訳が無い」と、ファッジは昨夜このように語った。
「この二つの脱獄が無関係だとは考えていない。このような脱獄は、外からの手引きがあったことを示唆しており、歴史上はじめてアズカバンを脱獄したブラックこそ、他の囚人がその後に続く手助けをするにはもってこいの立場にあることを、我々は思い出さなければならない。
ブラックの従姉であるレストレンジを含むこれらの脱獄囚が、ブラックを指導者として集結したのではないかと考えている。
我々は罪人を一網打尽にすべく全力を尽くしているが警戒と用心を怠らぬよう切にお願いする｡決して罪人たちには近づかぬよう」
ラッキーアイテム
革ベルト
ラッキーカラー
あずきいろ
ラッキーナンバー
8
ラッキーアルファベット
X
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 171人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
おにぎり食べたい(プロフ) - Kaitlynさん» 好きと言っていただけてとても嬉しい限りです。これからも頑張っていきますのでよろしくお願いします (2020年7月26日 22時) (
レス) id: 7bee581076 (このIDを非表示/違反報告)
おにぎり食べたい(プロフ) - ここさん» ありがとうございます！これからも精進していきます (2020年7月26日 22時) (レス) id: 7bee581076 (このIDを非表示/違反報告)
Kaitlyn(プロフ) - この作品、とっても好きです！いつも楽しませていただいています！更新無理せず頑張ってください！ (2020年6月15日 10時) (レス) id: 69a5a743e4 (このIDを非表示/違反報告)
ここ(プロフ) - 頑張って下さい! (2020年6月14日 21時) (レス) id: 5a429e5578 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：おにぎり食べたい | 作成日時：2020年6月14日 19時
