額に傷を持つ2人~炎のゴブレット<転･結>~《ハリーポッター》 (ページ45)

今日:16 hit、昨日:1 hit、合計:90,611 hit

195 ページ45

シリウス side

やっと優勝杯を持って3人が出てきた｡あの死の呪文が聞こえてから気が気じゃなかった｡あの呪文が聞こえてから長い時間が経った

2人は無事のように見えた＿＿＿遠くから見てるせいでよく見えない

だがしかしだ｡もう1人の代表選手＿＿＿セドリックといったか？その子はずっと仰向けで倒れていた｡酷い怪我のせいか？いや違う…きっと死の呪文が当たったんだ

その時だった､ハリーはセドリックをしっかりと掴み、Aはハリーから掴まれていた手をするりと抜けた

そして拍手喝采の中､咳き込んだのが見えた｡赤い鮮やかな血はAの口からﾎﾟﾀｯと落ちた

それを合図に身体中の傷から血が滴り落ちている､両手はズル剥けているし腰から首にかけて大きな傷が深く背中を斜めにして負っていた

その血は草の上を赤く染め､出血が止まりそうない｡私は動揺で体に力が入らない

Aはハリーの名前を口にして空を見上げるようにして倒れた

隣にいるロンもハーマイオニーも口を押さえていた｡ジェームズやヴァン､リリー､べヴァリーのように死なせてしまうのか？

ハ｢誰か助けて！＿＿＿Aを死なせないで！あぁ嫌だ嫌だ､目を閉じないでA｡お願いだから｣

私はその声にハッとした｡何をやってるんだ!Aを助けないと

私は観客席から立ち上がり､飛び出した｡悲鳴と叫び声が響く中､必死でハリー達の元へ駆け寄った｡どうやらダンブルドアも同じようだ

ダ｢何があったのじゃ！ハリー､A｣

ダンブルドアはAを見て､絶句していた｡それ程までにAは危ない状況なんだ

シ｢A！＿＿＿そんな｣

私も近くで空を見上げて横たわるAを間近で見てそう思った｡微かに息があることがおかしいくらいに

私は急いでAの隣に膝をついた｡膝が冷たく感じた｡何故か？＿＿＿Aの血は止まることなく溢れ出し､周りの草まで赤い血が覆っていた

膝をついたところが赤くなることを気にすることなく急いでベストを脱いだ

シ｢A！聞こえるか？目をずっと開けるんだ｣

そう言うとAは微かに目を開いた

シ｢聞こえるなら＿＿｣

｢聞こえるなら､何か合図をくれ｣そう言おうとしたら､彼女は口から血を少量流しながら口角を上にあげた

まるで｢聞こえてるよシリウス｣と言われたように感じた

私はそれを見てシャツの腕を捲り､Aの服を少し解いた

シ｢済まない､傷口を圧迫するから｣

彼女は優しく微笑んだ､死の間際なのに