何度目かの再会【はたけカカシ】 (ページ33)

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三十二度目ページ33

…

「ねぇミヅキ、これはこうでいいの？」

『んー？あーこれはね、先に頭を落としてから腹割くしょー、それから中のワタを出してー…』

今日はカカシも私も任務がお休みだったので、一緒に晩御飯を作ることにした。

今は、カカシくんに魚の捌き方を教えているのだが、びっくりするぐらい飲み込みが早い。

ちょっと教えるとすぐ出来る様になるカカシくんに感心していると、彼はあっという間に一尾捌き終わってしまった。

本当はもっと苦戦すると思ってたからもう一尾は私が捌こうと思ってたのだけど、余裕そうだったので彼に捌いてもらう事にした。

カカシくんが二尾目を捌いているのを横で見ながら最近会ったことを思い返す。

あのサクモさんの葬儀の日から今日で半年が経った。

あの日、カカシくんが泣き疲れて私の腕の中で眠ってしまった為、一度家に帰ってカカシくんを寝かせた後、

私はすぐにアカデミーの火影室へ行くと、カカシくんが心配だからという理由でしばらくの間任務の量を減らしてほしい事、長期任務はしばらくの間受けない事を猿ちゃんに伝えた。

猿ちゃんは少しの間目を瞑り何かを考えた後、「うむ」と頷くと快く承諾してくれた。

そのため、この半年間は家にいる事が多かった。

カカシくんはというと、サクモさんが亡くなってから少ししてからサクモさんが自害した理由をどこかで知ってしまったらしい。

サクモさんがある任務で隊長として部隊を率い敵地に潜入した際、「仲間の命」か「任務遂行」の二択を迫られた。サクモさんは「仲間の命」を選んで泣く泣く任務を中断した。

そしてその後里に帰るとそんな彼を待っていたのは火の国全体からの誹謗・中傷であり、住民や同僚どころか助けた仲間からも非難を浴びる事になってしまった。

そしてサクモさんは守ったはずの仲間からも中傷されるようになった事に耐えられなくなってしまい自害に至った。

サクモさんが大変な時期に私は度重なる長期任務によってほとんど家に帰れてなかった為、サクモさんが里でそんな酷い扱いを受けていた事を知らなかった。

私はその話をサクモさんが亡くなってから聞かされて、思わず猿ちゃんに火の国にいる人間皆殺しにしてやろうかと脅しに行ったぐらいには頭に来ていた。

私ですら、火の国全体にこんなに酷い感情を抱いたのだ、カカシくんはきっと私とは比べ物にならない程の嫌悪感を火の国に抱いただろう、と私は思った。