何度目かの再会【はたけカカシ】 (ページ32)

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三十一度目ページ32

…

それから一年程経ちカカシくんが7歳になって少しした頃
、カカシくんのお父さんであるサクモさんがある任務での出来事をきっかけに心身を病んで自害してしまった。

家の居間で亡くなっていたというサクモさんを最初に見つけたのは、あろう事かカカシくんだったという。

私はその時運悪く、1ヶ月程の長期任務で里を離れており、無念にもサクモさんが亡くなってから2日経った日の伝令でその事を知った。

その後すぐに追加の伝令で葬儀が今行われている事を知ると、その場ですぐ仲間に断りを入れ時空間操術を使い一瞬で里に戻ると、そこは丁度葬儀を終えた後の様で、人がバラバラと帰路についていく所だった。

『間に合わなかったか…っ』

参列者達が帰っていく中私は人の波に逆らいズンズン前へ進んでいくとそこには墓石の前に泣きもせず、ただ1人ぽつんとその場に立ち竦んでいる喪服姿のカカシくんの後ろ姿を見つけると彼の背後にそっと近寄りそっと声をかける。

『カカシくん…』

「………ミヅキ…」

そう呟くと、ゆっくり此方を振り返り私を見上げてくるカカシくんの目には光が無かった。そんな彼の悲しげで寂しげな目を見ていると胸がギュッと締め付けられる。

『遅れてごめんね』

彼の前で屈み視線を合わせると両手を大きく広げ、まだ小さい彼を優しく抱き寄せる。

『1人で辛かったよね、不安だったよね…怖かったよね…。1人にしてごめんね』

そう言い抱き締める腕に力を込めると腕の中で「グスッ」と小さく鼻を啜る音が聞こえてくる。

『…君のことだからねきっとこの二日間泣かなかったんでしょ？…君は本当に強い子だね。でもねカカシくん、泣きたい時は泣いて良いんだよ？それに、私の前では尚更我慢なんてする必要ないんだから、ほら…沢山泣きな』

「っ…うっ…ふっうぅ、ひっう゛ぅぅ…っ…」

私がそう言うとカカシくんはそっと私の背中に腕を回し服をギュッと掴むと必死に声を抑えながら静かに少しずつ涙を流しはじめた。
　

そんな彼を腕の中に感じながら、彼が落ち着くまでゆっくり背中を撫でていた。