第5話 ページ6
…
「もう、哀ちゃんの頑固者」
「ありがとう」
「褒めてないですよ〜」
ちょこんとソファに座った哀ちゃんの隣に並ぶように座って横からぎゅうっと哀ちゃんを抱きしめると「あなた本当に子供好きなのね」と彼女は小さく笑う。そうやって話を逸らそうとするところ、あまり好きではなくてよ?哀ちゃん。それ以外は大好きだけど。
それに私、子供が好きなんじゃなくてただ単に2人が好きなんです。ちっちゃくてもおっきくても、優しくてかっこいい貴方たち2人が大好きなの。
そう言うと少し頬を赤くして明らかに照れてる様子を見せる2人。「やっぱり貴方おかしいわ」と哀ちゃん。続いて「諦めろ灰原、この人こういう人だから」と新一くん。
なによぅ。そのちょっと呆れた感じ。
「嘘じゃないからね。」
「…私もあなたのそういうおかしいところ好きよ」
「え?それ褒められてるの?いや嬉しいけど」
どこからどう聞いても立派な褒め言葉よ。マグカップを口元に当て少し傾けると、ホッと一息ついた哀ちゃんが微笑んだ。その様子を見ていた新一くんが「同じく」と目を逸らしながらまた照れくさそうに呟く。
「え?聞こえなかったなぁ、もう1回」
少しイタズラ心が湧いてニヤついた顔で新一くんの顔を覗き込む。こういうツンデレなところも大好きな理由のひとつだ。
そしてその数秒後、まさかの不意打ちで新一くんがコナン君の声で「僕も好きだよ!」なんて言うから思わず失神しそうになった。可愛いは正義…だけど可愛いは危険でもあったようだ。
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作者名:ロゼ | 作成日時:2019年6月17日 22時