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第41話 ページ49





心臓を貫かれるような視線を感じながらも朝食を早々に平らげて使った食器をまとめて台所まで持っていく。


大きな音を立てないようそっとシンクに置いて、キュッと蛇口を上にあげた。そこから流れ出る水は徐々に器の中を満たしていき、いっぱいになると溢れ出てしまう。まるで自分の気持ちを表現されているようだ。ポツリと心の中で呟いた。


会いたい。たった一つの欲が抑えられない。馬鹿だ、もう会うことなんて出来るわけないのに。誰かが私に言った。そして私はまた言うのだ。「会いたい」と。


もういっそのことゾンビになってでも良いから私の前に現れてはくれないだろうか。ホラー系のは嫌いだけど少しくらいなら我慢できるはずだ。たぶん、きっと。



「あ、でも幽霊の方がまだ見た目は控えめでいいかも」

「Aさん」



声のした方に「ん?」と短く言葉を返す。そこには食器を持った新一くん。わざわざ洗い物を持ってきてくれたのかとそれを受け取り「ありがとう」と泡のついた手を洗ってタオルで拭き新一くんの頭をよしよしと撫でた。



「なんか今の姿で外歩いたら、親子だと思われるかもね〜」



私は年齢的にも子供がいてもまぁ可笑しくはない。そりゃあ似てないし違和感はあるかもしれないが、少なくともそれっぽくは見えるだろう。「ね」ともう一度声をかけると「…やっぱりそうする」と呟いた新一くん。ん?なに?



「なぁAさん。

ーー後で一緒に外に出てみない?」








……へ?

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作者名:ロゼ | 作成日時:2019年6月17日 22時

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