第4話 ページ5
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「2人してなにリビングでじゃれ合ってるの」
声のした方に新一くんとほぼ同じタイミングで目を向けるとそこには大人びた、可愛らしい女の子哀ちゃんが、片手にコーヒーの入ったマグカップを持って立っていた。
学校から帰ってきて直ぐに部屋にこもってしまうから何かあったのかと心配してたけど見た感じ至って変わった所もなさそうで良かった。とちょっと安心。
「坂本さん、工藤くんはウブなんだからあまりからかわないであげてよ」
「え、そーなの?ごめんね新一くん悪いことしちゃった。」
「灰原!!Aさんもそんな申し訳なさそうな顔で見るなよ!」
俺はウブじゃねーよ!と顔を赤くして怒る新一くんを哀ちゃんは「はいはい」と軽く交わして私の方に薬の資料と見られる用紙を手渡し「今回のデータよ」といつも通り大人びた顔でそういった。
今回のデータ。なるほど、学校から帰ってきて直ぐに部屋にこもっていたのはこの薬のデータ、アポトキシン4869の解毒薬について調べてくれていたんだ。相変わらず全然私を頼ってくれないんだから、この子は。
「いつもありがとう。…完成はできそう?」
「まだ難しいわ。もう少し時間がかかるかもしれないわね。」
「言ってくれればなんでも手伝うよ?」
「ありがとう、気持ちだけ受け取っとくわ。」
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作者名:ロゼ | 作成日時:2019年6月17日 22時