満月の夜に願いましょう【赤井秀一】 (ページ14)

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第11話ページ14

…

「哀ちゃん、やっぱりこの町超危険だよね｣

あくまで他の人に聞こえないように、隣で呆れた表情を見せる哀ちゃんに恐る恐る声をかける。

哀ちゃんはほぼ半目状態で「それについては同意見ね」とため息をついた。

え？急にどうたのかって？
いや私はただ哀ちゃんとコンビニにアイス買いに来ただけなんだけどね。

人生そんな簡単にいかないみたいで…。

ーー…

「その場に座って手を上げろ！！！」

さもなくば撃つぞ！男はそう言い拳銃をコンビニ店員に向けて怒鳴り散らした。大きな鞄を持っているのをみると恐らく強盗だろう。歳も20代くらいだからお金が欲しくてこんな行動をとったんだな。

ほら、20代くらいってお金が欲しいじゃん。いくつになっても欲しいけどさ。

「…どうしよっか、逃げる？」

「撃たれるわよ」

「避けるくらい容易いよ」

どうせそこらの警察からかっさらってきたんだろうからで特に訓練もしていないでしょ。そんな奴の弾なんて5発中1発当たるか当たらないかだ。

それに今逃げられる内に逃げないと私達の場合はやばい、、

「哀ちゃん、やっぱり逃げよう。」

「？どうして？」

「外に警察が集まってきてる。こんなに集まってれば報道人も来るかもしれない。」

もし、万が一、カメラに姿でも映れば。

人間は、いつだって最悪の状況を想定して動かないと意味がない。