【Growth】衛藤昂輝の妹 (ページ3)

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コウside

「______っと…結構長く話しちゃったね。
ごめんね、付き合わせて」
「俺も話せてよかった。体調に気をつけてな」
「うん、兄さんもお仕事頑張って。それじゃ、また今度ね」
「ああ、また」

俺は名残惜しい気持ちを抑えて電話を切る。スマホを机に置いた時、料理の途中だったということを思い出した。
早く作ってしまわないと…今日仕事だったケンと衛が帰って来てしまう。
俺はそう思ってキッチンを振り返った。

「あ、電話終わった？」

そこには料理を盛り付けしているリョウの姿があった。リョウは顔を上げてにこりと微笑んでいる。俺を気遣って続きをしてくれていたんだと思うと心が温かくなった。

「すまない、変わってもらって」
「気にしないで。それに、久しぶりに妹さんから電話きたんでしょ？家族との会話ぐらいゆっくりしないと」
「ふふっ…ありがとう、リョウ」

リョウの優しさが身にしみる。俺の周りにはとても優しい人が多い。俺は本当に幸せ者なんだろう。ケンやリョウ…そして衛と出会って、一緒にGrowthとして活動できているのは、本当に奇跡のようなことだ。

もしも俺が芸能界に入っていなかったら。
もしもケンやリョウと出会っていなかったら。
もしも衛を見つけることができなかったら。

そう考えると、みんなと出会えたことを本当に嬉しく感じるんだ。こんなにいい仲間に恵まれて、充実した生活を送れて…
Aも、元気に過ごしてくれるといいな。

「よし、俺も手伝う。もうすぐ2人も帰ってくるだろう」
「そうだね。きっとお腹空かせてるだろうし」
「それにしてもリョウは綺麗に盛り付けをするな」
「そう？コウの真似してみたんだけど。上手くできたみたいでよかった」

俺たちは談笑しながら夕食の盛り付けを進めた。