【ぬら孫】リクオの双子の妹は、チートキャラに近いかもしれない (ページ11)

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リクオに託す思い 10 ページ11

風呂場の中からシャカシャカという音が聞こえる。私は風呂場の扉を開けた。

A「おお、いたいた…

おーい、氷麗～」

私は、かがんで洗濯板を使いながら服を洗っている氷麗に呼びかける。

氷麗はこちらを振り向き、パッと笑顔の花を咲かせた。

氷麗「A様！鴉天狗の言っていたことは本当だったんですね！
やはりそのお姿は麗しゅうございます！」

A「そうでもねぇけどな」

氷麗「って、また着流しなんですか！？

女の子なんですから、もうちょっと身だしなみに…」

A「はいはい、あとで着替えるから…

それより手伝ってやるよ。大変だろ、1人は」

綺麗だか、身だしなみだか、色々言ってくる氷麗の言葉をかわしながら、私はいつも予備で用意されている洗濯板を掴んで、氷麗の真っ正面にしゃがんだ。

こうすれば、ふたつも桶いらないでしょ

ひとつの洗濯物を取って、いつも通り洗う。

これは5歳の時からやってるから、もう手馴れたものだ。強くこすり過ぎたら繊維が痛んだり、色落ちするから、少し弱めて擦る。昔氷麗が教えてくれたこと。

氷麗「それにしても、A様ってすごいですよね。

いつのまにか6歳で畏を発動、断ち切るようになられていましたもの…」

A「…？ああ、あの総大将がさっきやってきたやつか…
あんなの妖怪の基礎中の基礎だろ。妖怪なら出来て当たり前。
それに、総大将のを見様見真似でやったらできただけだ。えっと、妖怪の戦闘における第2段階だったっけか…」

氷麗「ですが、ちゃんとした妖怪としての教育を受けられておられないじゃないですか
(2代目に止められておりましたし…)」

A「まあ、私は妖怪の世界で生きたいからこれくらいやらないとな。
4分の3人間の分、誰よりも努力しないと…」

私はひとつ洗い終え、水で泡を落とす。それを違う桶に入れ、また新しい洗濯物を洗い出す。それを繰り返して行くうちに、もう空っぽになった。

氷麗「ありがとうございました！干すのは私がやっておきますので！」

A「ああ」

私は、返事をしてから身長が同じくらいになった氷麗の頭を撫でる。

やっぱり、氷麗は優しくていい子だな…
リクオの相手はこのぐらいの娘じゃないと許せそうもない…

A「いつもありがとな。助かってるし、嬉しい。」

氷麗「A様…！

しつれいしますっ！！」

薄く笑ってそう告げれば、氷麗は桶を持って走り去ってしまった。

え、なんだ？まあいいや。