愛され狐は今日も泣く

28話 ページ30

それからなんでか、6人で遊ぶことになった。

なんでだ。

優ちゃんと2人だと思ってたのに。

別に6人が嫌なわけじゃない。

ただ2人も初対面の人がいるのに気まずいじゃないか。


「千里ちゃん！なに乗りたい？？」


黙って後ろを歩いていた私を気にしてか、優ちゃんが後ろを振り向いた。


『バイキング、乗りたい』


とりあえず、早いものに乗りたい。

そしてなんとなくスッキリしたい。


「おお！じゃあそれ行こ！！」


分かってるのか分かってないのか…。

そんな投げやりな感じて決めてしまっていいのだろうか。

まぁ、いっか。

優ちゃん以外はどんなのか理解してそうだし。

6人でバイキングに乗り、ベルトを装着。

少しずつ動き出した船は小さな揺れからだんだんと大きくなっていった。


「千里ちゃん！！」


隣に乗ってた優ちゃんに声をかけられる。

あ、やっぱり怖かったかな。

そんな私の予想を裏切るように、優ちゃんは笑顔で。


「楽しいね！！」


そうやって笑ってくれた。

やっぱり優ちゃんは天才だよ。

人を、私を笑顔にする天才。

ほら、だって私、笑えてるでしょ？

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