愛され狐は今日も泣く

11話 ページ13

「もー、なんでそんな強いのー」


ゲームを初めて数分。

なんとなくコツを掴むことが出来て、WINNERの画面が続く。


「器用なんだよ！千里ちゃん！！」


隣ではぷくーっと可愛らしく頬を膨らませて拗ねる優ちゃん。

…可愛い。

なんとなくその頬をつついてみたい衝動に駆られた。


「よし！もう1回！次こそは勝つからね！！」


そう言って力強くコントローラーを握ってもう一度ゲームを開始した。


「…やっぱ勝てない」


あれから何回か繰り返したけど結果は変わらなかった。

優ちゃんが言ったように私が器用なのか…。

分かんないけど友達とやるゲームは楽しい。

そうやって嬉しさに浸っていたら…。


「千里ちゃん！！」


優ちゃんに急に名前を呼ばれる。

反射的に振り向けば…。

―――パシャリ。

優ちゃんの構えた携帯から発せられるシャッター音。


『え？！』


私今、すごく間抜けな顔してた気がするんだけど！

だけど優ちゃんはそんなのお構い無しで。


「今日の記念〜♪」


なんて言いながら保存をしていた。

反論しても無駄な気がして、口を閉じる。

それから2人で写真をたくさん撮った。

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