【2BRO.】赤い恋《中・短編集》 (ページ10)

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頑張り屋さん 4 ページ10

頑張り屋さん3の続きです

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危ない危ない
Aちゃんは今、熱がある、だからそのせいで早まった言動をしたに違いない

俺は嬉しいけど、さすがに病気で弱っている状態で聞くのは違う気がする

勘違いだったら今すぐ崖から飛び降りたいが

とりあえず、このまま口に蓋をして置いたままでは可哀想なので

弟「その先は、風邪が治ったら俺から言わせて…？そして、ゆっくり考えていいから、答えを聞かせて」

とだけ伝えて、部屋を出た

次に会うのは来週の月曜日かな
その日、ちゃんと伝えよう、やっと気付いたこの気持ちを届けよう

『皆さん、本当にご迷惑をおかけしました。今日からまたよろしくお願いします！』

4日の有給を取り、今までの疲れを一気に流したAちゃんはとても生き生きとしていた

兄「Aさんは仕事が出来るからつい、頼みすぎちまった。だけど、これからはAさんも無理をせず、周りの人にどんどん頼ってね」

すると
「そうだよー！頼ってー！」
「いつもありがとね！」
「無理しすぎるなよ～いつもお疲れさん」
と、彼女の頑張りをちゃんと分かっていたようで一斉に優しく言葉をかけ始めた

Aちゃんは涙目でお礼を伝えていた

その日の帰り、久々に定時で会社を出たAちゃんと一緒に駅まで歩いていた

弟「風邪治って良かったね。それに一緒に帰るの久々だね、なんだか嬉しいよ」

Aちゃんが立ち止まったので俺も足を止める

『先輩のおかげです。先輩は常に心配してくれていました。気付いてたのに、頑張りすぎてそれに応えられなかったんです』

弟「でも今日はちゃんと定時で帰れたじゃない。偉いね、元頑張り屋さん」

と、頭を撫でると顔を赤くしてこう言った

『…この前の、弟者先輩から言うって言ったあれ、今聞きたいです』

急だったので驚いたが、深呼吸をして、気持ちを落ち着かせてからAちゃんの目を真っ直ぐ見た

弟「じゃあ言うね。俺の前では頑張らないでいい。それに、もっと甘えて欲しい。Aちゃんの、頑張らない笑顔が見たい、もっと近くで。だから…」

Aちゃんの右頬に手を添える

弟「…だから、俺と付き合ってください。そして、もっといろんな表情を見せてください」

Aちゃんは、目に涙を浮かべ、見たことのないキラキラとした笑顔で「はい！」と元気よく答えた

俺は、ずっと触れたかったその唇に、キスをした。

完