甘えんぼ ページ17
私の彼氏は甘えん坊だ
私より5つ年上なのに？年上だからこそ？
末っ子は甘えん坊だとは聞いたことがあるけど、どうやら本当らしい
弟「A〜、何してんの〜？」
『見てわかるように料理を作ってまーす』
弟「知ってる〜」
と言いながら後ろから肩を揉んでくる
『危ないからあっち行っててよ〜』
弟「断る」
『なぜいい声で言ったの』
弟「なんとなく気分で」
甘えん坊エピソードは他にもある
例えば映画を観るときも
『そこじゃなきゃダメ？』
弟「うん！」
足の間に座って欲しいらしく両手を広げて待っている
まるでご飯をもらう時の犬のような目をしている
心の中で「(ゴールデンレトリバーだな)」と呟く
仕方なく足の間に座るとホールドされ、満足げに
「んじゃ映画観よっか！」と言った
『絶対途中で寝るでしょ』
弟「今日は寝ないってば！」
30分後、後ろから寝息が聞こえてきた
ほらやっぱりね
と思いながら起こさないように静かに笑った
この程度ならまだ可愛いもんだ
酔っ払った時は本当にひどい
弟「A〜〜んもう大好きっ！！」
兄「まーた始まったよ」
『はいはいお水飲んでね〜』
お「見た目は酒豪なんだけどね、実際は1番弱いという」
弟「A〜〜俺の可愛いA〜！」
『兄者さん助けてー』
兄「ごめんな、俺にもどうにもできん」
弟者はさっきから腰に抱きついて離れようとしない
剥がそうとも思ったが、力が強くて無理そうなので諦めた
『ほら！歩いて寝室まで行って！』
弟「はぁ〜い！」
『素直でよろしい』
ベッドに転がすと腕を掴まれ引きずりこまれた
『も〜〜、私は終電で帰らなきゃいけないの。離して〜』
弟「やぁだよ〜、んふふ。もうちょっと一緒にいようよ〜」
あぁもう、本当に甘えん坊だ
でも弟者の笑顔に弱いから、ついつい許してしまう
私も大概だが人のこと言えないな
口ではやめてとか言ってるけど、正直甘えられて嫌な気はしない
むしろ大歓迎である
なんて考えてたら横から寝息が聞こえてきた
チャンスだと思いベッドから出ようとしたが、しっかりとホールドされているため断念した
ちょうど明日は休みなので別の部屋にいる兄者さんにLINEを送る
A【弟者からの脱出に失敗。宿泊を希望】
兄【了解した、宿泊を許可する】
兄者さんといつものやり取りを終え、明日兄者の鉄拳を食らうであろう弟者の頭を撫でた
弟者はかすかに微笑んだ。
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作者名：鯖の水煮缶 | 作成日時：2018年12月3日 20時
