鈍感な貴方 2 ページ2
鈍感な貴方 の続きです
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クリスマスに告白をすることをおついちさんに告げ、その日は家に帰った
“見切りをつける”という私の言葉におついちさんは少し寂しそうな顔をしていた
気持ちは分かる
【振られたらもう元には戻れない】
今までのように友人として接するのは難しいだろう
男女とはそういうものだ、と思う
クリスマスまであと10日
兄者さんから電話がきた
兄「じゃあ当日は俺とおついちさんで過ごすから気にしないで行ってこいよ」
『ごめんね兄者さん。毎年一緒に過ごしてたのに…」
兄「なぁに、気にすることねえって。…それより大丈夫か？声がいつもより暗いけど」
『そりゃあ、10年の片想いですからね…！…どうしよう、もし、振られたら…「今はそんなこと考えるな。いつもの笑顔でぶつかれ。応援してっから」
兄者さんの言葉に思わず涙が出た
ありがとうと伝え電話を切った
そのままカメラロールを開き、過去の写真を眺める
制服姿のツーショット、ゲームで負けて悔しがる弟者くんの顔、弟者くんが勝手に撮った私の寝顔。
この後授業が始まっても寝続けて先生に怒られたなぁと思い出し笑いをした
そして、4人で撮った写真の中の私はいつも弟者くんの横で笑っていた
“この関係を壊したくない”
怖い、すごく怖い、でもこのままじゃ嫌。
携帯の画面をそっと閉じて、夕飯の準備に取り掛かった
〜クリスマス当日〜
今日のために用意した赤いニットのワンピースに紺のコートを羽織り、それに合わせてメイクも普段より明るくした
それでも彼は気付かないだろう
だって鈍感だから。
弟「待たせたな！えーと、どこ行くんだっけ？」
弟者くんには少し街を見てから、4人で食べるケーキを買って帰ろうと伝えてある
『東側の通りのページェントが見たいのでこっちですよー』
弟「あいよ〜」
これから告白されるだなんて思ってない弟者くんはどのケーキを買うか、お酒は何を飲もうかと楽しそうに喋っている
『(あぁ…やっぱり告白やめておこうかな…)』
彼の無邪気な笑顔を見ていると、そんな思いが頭をよぎる
ページェントの近くまで来るとやはり人混みがすごく、告白のことばかり気を取られていた私は気付けば弟者くんとはぐれていた
来た道を戻ろうとした時、2人組の男性に話しかけられた
《続く》
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作者名：鯖の水煮缶 | 作成日時：2018年12月3日 20時
