5. 日常 ページ6
俺の毎日は結構普通に進んでいる。
クラスメイトとも問題は無いし、それなりに楽しい生活を送っていると思う。
普通の高校生らしく、友達と馬鹿やって、笑い合って、助け合ってると思う。
そんなみんなが、俺の過去を知ったら、一体どんな顔をするのだろうか。どんな感情を抱くだろうか。
怒りとか、恐怖とか、きっとそんなものだ。
本来ならば、ヒーローなんて目指すべきではなかった。
でも、あの人の背中を見てしまったから。
あの人が現れただけで、もう大丈夫だと、安心する人たちがいることを知ったから。
そんな人がいなくなる未来が、そう遠くない未来にあると知ってしまったから。
だからこそ俺は、ヒーローになりたいと思った。
俺にヒーローになる理由を与えてくれた人は、俺をとんだ恩知らずだと思っているだろう。
ここまで育てあげて、ヒーローというものを身をもって示してきて、最後がこれだなんて、きっと怒っているに決まっている。
俺が学校に通う上で一番嫌な時間は、あの人の授業の時だ。
あの人のことは嫌いではない。寧ろ感謝している。
それでも、あんなことをしてしまった以上、もう関わることは出来ない。
｢ Aくん、今日のヒーロー基礎学オールマイトだって！ ｣
『 そうか、…出久はオールマイトが好きだな 』
｢ 勿論ｯ 、オールマイトは僕の一番の憧れだよ！Aくんは好きじゃないの？ ｣
『 いや … 大好きだよ 』
｢ 私が授業に来た！！！｣
相変わらずうるさいなぁ 。
教室に入ってくる時くらい静かに入れないのかな 。
何度授業を受けてもあの人とは目が合わない。
きっと、目も合わせたくないんだろう。
そりゃそうだ、自分が正しいと思ってしたことを否定された上に嘘吐き呼ばわりされて、許せるはずがない。
もう一度普通に話せるようになりたい。
でももう俺は、あの人に期待なんてされてない。
No.1だって、きっと望まれてない。
あの人の一番になりたかった。
あの人みたいなヒーローになりたかった。
｢ おい 、なに泣いてんだよ ｣
はっと気づいた時にはプリントを回す爆豪。
慌てて涙を拭えば、悪い、と告げて受け取る。
｢ …今日、一緒に帰んぞ ｣
今日の放課後は、かなり面倒くさそうだ。
.
.
(( いや … 大好きだよ ))
｢ さぁ、少年少女！プリントの1番を見るんだ！！｣( 私がいないところでなんてこと言ってるんだ…)
( …寒気する )
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 226人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ぺんぎん - 相澤先生オチで！ (2021年8月23日 11時) (
レス) id: 04afc39a92 (このIDを非表示/違反報告)
はなめ！ - はじめまして！いつもニヤニヤ拝見してます！とむらくん希望です！ (2020年8月24日 3時) (レス) id: 734111b835 (このIDを非表示/違反報告)
執事長 - 爆豪くんオチに一票です! (2020年8月5日 17時) (レス) id: e21c945c52 (このIDを非表示/違反報告)
1412 - わがままだけど、オーバーホールを登場させて欲しいです！ (2020年8月2日 0時) (レス) id: ab59a36fd7 (このIDを非表示/違反報告)
音 - こっそり死柄木に会いに行くみたいな(語彙力)なんかそういうやつとか?ですかね (2020年7月28日 23時) (レス) id: 981305fe40 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：コッティー | 作成日時：2020年3月30日 13時
