36. 願い ページ40
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あの後、平和の象徴の痩せこけた姿がテレビで連日報道された。
と言っても、俺はあの姿を何度も見たことがある。
次は君の番だ、なんて言葉が
敵に向けたものでもないということも。
でもその言葉が、俺に向けたものじゃないこともわかっていた。
大切な息子として育ててくれたのは知っている。
それでも、貴方の意志を継げるような人間ではないから。
どうしたって俺は穢れてるから。
頭の中で、またあの声が響く。
大好きだった母親の、助けを求める声。
苦しめているのは俺なのに、助けを求められて、それでも何も出来ない俺。
俺は人殺.しだ。
そんなことは、もう変えようのない事実だった。
その時点で、ヒーローになんてなったらいけないんだ。
死柄木 「 …A、こっちを選んでくれて本当に嬉しい。いい子だ、お前だけは絶対守ってやるから…… 」
頭の上で響く優しい声が荒れ始める心を鎮めてくれる。
これでいい。
ヒーローになるために前を向いて、人の為に生きようとする彼奴らと居ていいような人間じゃない。
『 …弔、…俺、もう敵なのかな 』
それでも、自分が敵だと言うことが怖かった。
これから俺は敵として生きていくのか。
クラスメイトに会った時も、
俊典さんに会った時も、
先生に会ったも、
次会うときはいつも 。
その時みんなは俺をどんな目で見るんだろう。
嫌悪するんだろうか。
死柄木 「 Aのことはよく知ってる。もう人を傷つけたくないことも…それでもいい、俺はAがここにいるだけでいいから。…俺だけのヒーローになってくれよ 」
誰かのヒーローになりたい。
そう何度も願った。
それがこんな形になるとは思わなかったけど。
それでも、もう誰も傷つけたくない。
ここにいるだけでいいなら、それでもいい。
ただ、一つだけ 、
『 弔は、これからもこんなことを続けるつもりなのか 。』
「 まぁ、敵だからな 」
『 …じゃあ俺が弔が不満に思わないくらいの世界にするから、
もしそれが出来たら、もう誰も殺.さないでくれるか？』
自分だけならどうなっても構わなかった。
もしそんな世界が出来たら、もう誰かを傷つけることはやめて欲しい。
死柄木 「 …Aがそんな世界を作れたら、だからな 」
小さく笑いながら告げる姿に頷く。
もしそんな世界が出来たら、俺はみんなを守ったことになるんだろうか。
それはそれでいいかもしれない。
もうそれしか、ヒーローになれる方法はないから。
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ぺんぎん - 相澤先生オチで！ (2021年8月23日 11時) (
レス) id: 04afc39a92 (このIDを非表示/違反報告)
はなめ！ - はじめまして！いつもニヤニヤ拝見してます！とむらくん希望です！ (2020年8月24日 3時) (レス) id: 734111b835 (このIDを非表示/違反報告)
執事長 - 爆豪くんオチに一票です! (2020年8月5日 17時) (レス) id: e21c945c52 (このIDを非表示/違反報告)
1412 - わがままだけど、オーバーホールを登場させて欲しいです！ (2020年8月2日 0時) (レス) id: ab59a36fd7 (このIDを非表示/違反報告)
音 - こっそり死柄木に会いに行くみたいな(語彙力)なんかそういうやつとか?ですかね (2020年7月28日 23時) (レス) id: 981305fe40 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：コッティー | 作成日時：2020年3月30日 13時
