20. 真実 ページ23
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父さん、なんて呼んだのは初めてだった。
実の父はとっくの昔に亡くなったから、父と呼べる人がいなくなったからだ。
今までこんなにも迷惑をかけたのに、俊典さんは自分が悪かったと、そう言って自分に謝った。それが少し申し訳ないような気もして、俺はまたゆっくり口を開く。
『 俊典さ｢ A、もう父さんとは呼んでくれないのかい？｣ …父さん 』
いつものように呼ぼうとしたら止められてしまった。
俊典さんの周りの空気が少しふわふわしている気がする。
そんなに嬉しかったのだろうか。
｢ で、どうしたんだい？｣
そう聞き返す俊典さんに、話すべきか少し戸惑うけど、なんとか話す。
『 …今更だし、父さん、は…全く悪くないんだけど…なんで、個性を出久に託したの、』
あの時の俺は悔しくて仕方なかった。
どこの誰かもわからない、しかも無個性に託したなんて。
自分だって自分の個性は大嫌いだったし、1度は人殺.しに使ってしまった個性だ。
それでもこの個性ならなんとかヒーローにもなれると思った。
だからこそそんな自分にパワーを与えるためにも、個性を受け継ぐのは自分だと思っていた。
今思えば本当に勝手な事だ。
それでもなんで出久なのかを知りたかった。
出久が気に入らないわけじゃない。
本音を言えば何故出久なのかは、もうわかっている。
｢…初めにも話したように、緑谷少年は無個性ながらに敵に立ち向かった。正真正銘、ヒーローの素質があったよ ｣
まぁそうだよな、なんて思う。
人を助けるのがヒーローだ。
全く逆のことをした自分が選ばれるはずもない。
｢ でもそれよりもっと大きな理由は、君を苦しめたくなかったからだ ｣
俺のため、というのがどういう事なのかわからない。
｢ 君は、ただでさえ自分のその個性を嫌い、そのストレスの中でヒーローになろうとしている。そこに更にワンフォーオールという負荷を押し付けたくはなかった。…君にはもっと自由に、ヒーローになって欲しかったんだ ｣
そう口にして、申し訳なさそうな顔をする俊典さん。
結局何から何まで、自分を思った上での事だった。
それを自分は、なんて仕打ちで返してしまったんだろう。
最低だ、本当に。
『ｯ…ごめんなさい、父さん、…そんな気持ちにも気づかずに、迷惑ばかりかけて、…』
｢ いいんだよ。いつも授業を見てて思うんだ。自慢の息子が成長する姿を間近で見れてよかったって｣
それに比べてこの人は、最高の父親だ。
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ぺんぎん - 相澤先生オチで！ (2021年8月23日 11時) (
レス) id: 04afc39a92 (このIDを非表示/違反報告)
はなめ！ - はじめまして！いつもニヤニヤ拝見してます！とむらくん希望です！ (2020年8月24日 3時) (レス) id: 734111b835 (このIDを非表示/違反報告)
執事長 - 爆豪くんオチに一票です! (2020年8月5日 17時) (レス) id: e21c945c52 (このIDを非表示/違反報告)
1412 - わがままだけど、オーバーホールを登場させて欲しいです！ (2020年8月2日 0時) (レス) id: ab59a36fd7 (このIDを非表示/違反報告)
音 - こっそり死柄木に会いに行くみたいな(語彙力)なんかそういうやつとか?ですかね (2020年7月28日 23時) (レス) id: 981305fe40 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：コッティー | 作成日時：2020年3月30日 13時
