51=水平線上の陰謀 ページ12
ステージの前でリモコンを突きつけられた目暮たちが目を見開く。
日下「当時、八代商船の社長と専務だった延太郎と貴江は、保険金目的で貨物船を沈めることを計画した。さらに、日頃、乗組員の待遇改善などを訴える沖田船長の排斥を狙って、副船長だった海藤を抱き込んだんだ。」
全員「え!?」
ステージに立っていた岬や夏帆が驚いて海藤を見た。
海藤は動じることなく、無表情で日下を見下ろしている。
日下「話に乗ったアンタは、睡眠薬入りのコーヒーで沖田船長らを眠らせ、わざと氷山に船を衝突させ、同時に前もって仕掛けておいた爆弾を爆発させたんだ。爆弾を仕掛ける場所は、おそらく設計士の八代英人が指示したんだろう。」
美波子「まさか、先生が…!?」
目暮警部「八代会長はどうやって殺害したんだね?」
日下「あいつ、俺にまたがって首を絞めやがったから、巴投げの要領で海へ投げ飛ばしてやったよ。」
目暮の質問に答えた日下は、ステージの海藤に目を向けた。
日下「そしてお前がやったようにこの船を爆破して、混乱に乗じてお前を殺すつもりだったんだ!」
海藤「フン。とんだ妄想だ。」
海藤が鼻先で笑うと、目暮は「待ちなさい!」と両手を広げて日下に立ちはだかった。
目暮「とにかく、そのリモコンのボタンから指を離しなさい!」
日下「うるさい!近づくな!!」
すると突然、日下の背後から乗客の男が飛び掛かったが……
日下は飛びのいてかわし、リモコンのボタンを押した。
地下二階の機関室に仕掛けられていたダイナマイトが次々と爆発し、会場のホールにも爆発音と振動が伝わったかと思うと、いきなり照明が落ちた。
真っ暗になったホールに客達の悲鳴が飛び交った直後、電気はすぐに復旧した。
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作者名:AYANE | 作成日時:2023年8月30日 15時