ジュエル学園に転校してきた金田一耕助の孫娘！・・・part3

第86話 ページ4

『それと、お兄ちゃんが剣持さんと畠山さんを呼んだこと。』

二人も同様に、まだ意味が分かっていないみたい。

『恐らく、犯人の計画の中では、あの時紙コップを使うのは全部で47人のはずだった。専用のマグカップを使っていた蔵沢先輩を除いて、映研部員が5人。ミス研が4人。私を含めた沙羅ちゃん達が35人。5人+4人+35人で人でしょ？でも、真壁部長一人が遅刻したことと、剣持さんたち二人が来たことが計算外だったんです。』

一「事件後の調べで使っていない紙コップにも睡眠薬が入っていた。でも本当は、睡眠薬を仕込んでいない紙コップをある順番で中に入れて置いたんだよ。それを自分が取るつもりでね。でも、人数が一人増えたから、このままだと自分が睡眠薬入りの紙コップを取ることになってしまう。そこで咄嗟に……」

私は机の上にあった、砂糖の袋が入れてある紙コップを手にした。

一「ここにあった紙コップを一つとって、バレないように睡眠薬を入れ、袋を開けたばかりの17個入りの紙コップの上に重ねたんだ。自分が取る紙コップの順番を変えないために。だから紙コップは16個になっちゃったんだよ。」

美雪「でもあの時、紙コップを取る順番は特に決まってなかったよ？」

『うん、確かにね。でも、上から何個目かだけ、睡眠薬が入っていない紙コップを必ず取れる人物が一人だけいたんだ。そして、そのことを……
今皆が持っている紙コップが教えてくれる。』

レオン「えっ？」

皆が一斉に自分が持っている紙コップの中や横を見始めているなか、一人だけ動かない人物がいた。

一「俺が書いておいたんだ。その紙コップに、「君がスコーピオンだ」ってね。」

今の一の発言で、また皆は自分の紙コップを見始めたけど、やっぱりただ一人、一向に見ようとはしなかった。
皆もその異変の気づき、ある人物を見つめる。

『……そう、つまり真犯人は、黒河さんじゃなく、もちろん、蔵沢先輩でもない。』

美雪「…………」

『46番目の紙コップを、最後に自然に取ることが出来た、紙コップを皆に配る役割。そして……
私を怪我をさせた。……つまり、貴方だよね？……遊佐、ちえみさん。』

第87話→←第85話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す