85話 金田一少年の決死行 ページ36
貴方「つまり、この写真は2003年より前に撮られたもの。この写真の龍くん……
今と、ほとんど変わってないよ。たぶん、松岡さんは気づいたんじゃないですか?目の前に、狩谷純と瓜二つの人間がいることをね。」
龍「っっっ!!」
剣持「確かに……
人間は極限状況下のストレスで、身体が思いもしない変調を来すことがあります。」
南「純くん…?純くんなの…?今の写真見せてもらっていいですか?」
貴方「この写真に写ってる女の子って……
12年前の南さんですよね?」
南「どうしてそれを…?」
貴方「誘拐されたはずのホテルのオーナーは……
龍くんだったんですよ。この計画は洞窟から出た龍くんが、残ってた埋蔵金で半年前にこのホテルを買うところから始まってたんです。」
南「なんで?」
龍「洞窟の暗闇の中で12年間……
生きて君に会えることだけが……
たったひとつの光だった。狩谷純は僕だ…。
12年前……
父があの洞窟に、埋蔵金が隠されているかもしれないって、この地に来たんだ。そのとき旅行会社のツアーで君と一緒になって。その時は思いもしなかった。次の日から地獄の12年間が始まるなんて。あいつら4人に閉じ込められて、父さんは僕が少しでも長生きできるようにって、一切食べ物を口にしないで水だけを飲んでた。でもそのせいで……
父さんは亡くなった。
それから何年か経って、備蓄食料も底をついて。暗闇の中で毎日毎日、どうすれば洞窟から脱出してあいつらに復讐できるか、そのことだけを考えてた。
そんなとき…
高遠っていう男がやってきた。((高遠「今日から君は巌窟王になるんだ。」))そう言って。」
一「お前が俺の逃走を手助けしたのも、すべての復讐が終わるまで、犯人役の俺が捕まらないようにするためだよな?」
龍「最初はそうでした。でも、金田一さんと逃げているときに気付いたんです。僕が本当に望んでいたのは、復讐なんかじゃないって。」
2人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:AYANE | 作成日時:2023年4月4日 18時