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No.32 ページ33
一番懐いている清光も薬研もいなくて、今になって少し緊張してきて、震えが止まらなくなった。
まともに目も合わせられずにいる。
どうしようと考えていると……
ぎゅっと右手に温もりを感じた。
顔を上げると……
小夜が自分の手を握っていたのだった。
小夜「…怖くないよ。」
貴方「！！」
小夜「ありがとう、兄様達を鍛刀してくれて。」
初めて見た小夜の笑顔に目を丸くする私。
だが…すぐに嬉しそうにくしゃっと笑って「……いいえ。」と入った。
手を繋いだままでいる二人を、江雪達も微笑ましく見守っていた。
ｶﾞﾔｶﾞﾔ!!
ガヤガヤと外の方から聞こえ、恐らく出陣部隊が帰ってきた。
早く出迎えたくて、廊下を進む私は駆け足になっていた。
安定「あ、主ー！ただいまー！！」
安定を始めに次々と「ただいま」と声が返ってくる。
貴方「お、おかえりなさい……！」
見た感じ怪我もないようで、私はほっとした。
加州はそんな彼女の頭を優しく撫でた。
宗三「そんなに走っては危ないですよ。」
後ろから、宗三達が歩いてくる。
小夜以外に初めて見る2人に加州達は首を傾げた。
宗三「宗三左文字と言います。お小夜がお世話になりました。」
江雪「江雪左文字と申します。」
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作者名：AYANE | 作成日時：2023年3月31日 16時
