大将、芸能界を辞めた金田一耕助の孫娘です。 (ページ15)

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No.14 ページ15

薬研side

暖かいが、どこか悲しげな霊力だった。
その奇妙な霊力に惹かれ、気付いたら目の前には弟達と同じぐらいの女の子がいた。
見て直ぐにわかった。
俺っちの大将は彼女で、俺を惹き付けた霊力の持ち主もその大将だってことを。

薬研「よお、大将。俺っち薬研藤四郎だ。兄弟共々、よろしく頼むぜ。」

正直、大将が女の子ってことには驚いたが、悪い気はしないな。
なんだか見れば見るほど可愛らしく思えてくるけど……
怯えていた。
そんなことを思っていると、式神の管狐に呼ばれた。
こんのすけ、という名前だっけな。

こんのすけ「薬研様、実は主様には今休みが必要でして。ですが手入れを終えた加州様が心配で、彼が起きるまで休まないようです。どうか説得してくれないでしょうか？」

なるほど…そういうことか。
話を聞く限り、この本丸はまだ始めたばかりで、刀剣はまだ加州と俺っちだけのようだ。

こんのすけ「それと……
こちら、主様の説明書です。」

ふと大将の方を見ると、目が合った。
こんのすけを一撫でし、巻物を貰って……
大将に近づいた。

薬研「大将は加州が心配なのか？」

貴方「！……うん。」

薬研「そうか、大将の気持ちはよくわかった。だが、もし大将が疲れて倒れちまったら、加州も…俺っちも悲しいんだ。」

動揺が走るその瞳を真っ直ぐ捉えた。
困惑するその小さな頭を撫でる。