37-香港九龍財宝殺人事件- ページ38
リー・バイロン「大澳は香港から船で1時間だ。ともかく、原爆の確保が最優先だ。」
大澳に向かう船の上。
サングラスをかけたリー刑事は船の行先をジッと見つめている。
一「原爆原爆うっせーんだよ……」
佐木「先輩!言い方!!」
リー刑事の言葉にはじめくんが、ポケットに手を突っ込んだまま返した。
リー・バイロン「……なに?」
佐木「ごめんなさい、彼…悪気はないんです。」
貴方「リー刑事、ひとつ聞いてもいいですか?」
リー・バイロン「なんだ。」
貴方、一「やっぱ、貴方も/あんたワン・ロンの息子だね。」
きらデコ6全員「……えっ。」
リー刑事ははじめくんの言葉に目を見開き、ふぅと息を吐いてからサングラスを外した。
リー・バイロン「20年も前になる。九龍城が取り壊されるって決まった時の話だよ。九龍の皇帝と呼ばれたワン・ロンは九龍城の住人と言われた5万人以上をまとめあげて、あれを独立国にしようとしてたんだ……。だから、そのために九龍財宝をあの龍の瞳と交換に手に入れた。独立の切り札としてな……。だが、側近に裏切られて父は殺され…3人の子供は散り散りになった。」
一「…………」
リー・バイロン「独立の夢は幻で終わり、あとには香港を破滅させちまう原爆だけが残ったってわけさ……
そう言えば、ワンがダイヤを原爆に変えたと知ったアイビーは酷く驚いていた。」
一「アイビーさんが?」
貴方「そう言えば、アイビーさんは?」
リー・バイロン「アイビーも今は行方知れずだ。」
ブルー「なんか…嫌な予感がするな……」
レッド「あぁ……」
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作者名:AYANE | 作成日時:2023年1月3日 21時