第50話「銀幕の殺人鬼」 ページ1
四葉side
真壁「現場を再現するのはいいけど、なんで腕時計にこだわってるんだ？」
一「ベルトの穴だよ。」
真壁「ベルトの穴？」
一「蔵沢先輩の遺体左手につけてあった腕時計の、一番内側の穴に使い込まれた跡があったんだ。いつも蔵沢先輩はこの穴を使っていた。」
一「でも、遺体が発見されたとき、おかしなことに一番外側の穴が使われていた。」
一は、蔵沢先輩に見立てた人形の左手の間に鍵をかけた。
一「よし、じゃあ再現を始めよっか。」
竜二「はい。」
私達は映研の部室に戻り、真壁部長だけが外で待機する状態でドアを閉めた。
一「俺たちは真壁先輩の大声で目が覚めて。鍵がかかって内側から出られないドアを、おっさんがぶち破って廊下にでた。」
私たちは開けられたドアから廊下へとでる。
そこで、真壁部長と合流するんだけど……
真壁部長、再現するって言っても、表情まで入りませんから。
しかもあんたそんな驚いた顔してないだろ。
美雪「四葉ちゃんは、どこで倒れたの？」
四葉「門脇先輩が倒れたところに角のところです。」
一「で、廊下でろうそくに囲まれた門脇さんを発見。
そこで死体を発見したにも関わらず、俺達は映写室のドアを開けようとしたけど、こっちのドアにも鍵がかかっていた。職員室にスペアキーを取りに行って、部屋の鍵を開けると、蔵沢先輩の毒殺死体を発見した。映写機は、フィルムがついた状態で空回りし続けていた。そして、頭を殴られて、腕や脚から血を流した四葉がいた。」
お兄ちゃんは、さっき佐木くんによってまとめられた。
この映写室から映研の部室までの簡単な図を見た。
でも、そこまで完璧な状況を作り上げた犯人が、自分のロッカーに証拠を残しておくなんて、思えないんだけどな……
ーーーワンッワンッ!!
葉月「あれ、ポアロ？」
真壁「ポアロ？……ポアロ？ポアロ！？」
真壁部長は、ポアロの声が聞こえた映研の部室へと駆け出した。
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作者名：AYANE | 作成日時：2022年9月25日 20時
