247時間目 ページ9
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「いけるだろ。みっちり1週間研究したからよ。」
「村松にしては奇跡の味だ。不味さが売りのキャラが崩れる。」
「うるせーイトナてめーも働け!!」
イトナにからかわれるながらも誇らしそうな村松。そのあまりの美味しさにソワソワとメニューを見つめる不良たち。
「他のも食おうぜ他のも!!」
「何だこのタマゴタケって食ったことねえ!!」
「テメーら!!不味いって言え不味いって!!」
「え?不味いの?」
悪い噂を吹聴してやろうと思った自身の計画が崩されそうになり、焦るリュウキに迫る艶やかな影。
「うちの生徒の料理、お口に合わなかった?」
イリーナである。このハニートラップの名手であるイリーナにかかればこんな高校生などイチコロである。ATMに走る高校生たち、貢ぎコース確定だ。
「そういえばA組の方はどうなってるんだろうな。」
「割と売れてる友人のアイドルやお笑い芸人に声掛けていたし、客寄せは成功しているでしょうね。」
「浅野さんはA組でなんのイベント出るの?」
村松がぽつりと呟くと、秀華はすぐそれに返す。学秀に声をかけられたという芸能人から連絡が沢山秀華の携帯に来たものだから、大体誰が来ているか把握しているのだ。その言葉に、ふと思い出したように原が秀華に問う。
「…恥ずかしいからまだ内緒にしててね。」
「うんうん………えっ!?だっムグッ」
「原さん!! 内緒よ!!」
静かに原に耳打ちする秀華。原は予想外の答えに思わず声に出して驚きそうになるが、秀華が慌てて彼女の口を塞ぐ。
「へぇ……本当になんでも出来るねぇ。明日イトナ君に偵察して貰って皆で見なきゃ。」
「そんな大袈裟な…。」
少しワクワクした様子の原に、照れくさそうに秀華は言った。その時、また聞き覚えのある声がした。
「おーいいるか渚ー!?」
「秀華ちゃーん!!」
「さくらちゃん!松方さんと園の皆も!!」
「来てくれたんですね。ありがとうございます!」
松方とさくら、さらに他の園の子供たち。渚と秀華は時折勉強を教えにわかばパークを訪れており、付き合いが続いていたのだ。
「秀華ちゃんの作ったやつ食べたい!」
「私が作ったのはモンブランだよ。デザートにどうぞ。」
子供と楽しそうに笑って触れ合う秀華の姿を、カルマは静かに微笑んで見ていた。
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麗(プロフ) - 29ページ 頃について 殺せんせーに とかではないのでしょうか? (2021年5月22日 1時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
ざくろ(プロフ) - まなぴすさん» 優しいお言葉ありがとうございます!! 一人暮らしの予習だと思って頑張ってきます(料理以外てんでダメ)…( ˇωˇ ) (2021年3月4日 9時) (レス) id: d0e69d8f04 (このIDを非表示/違反報告)
まなぴす(プロフ) - お母様のご様子が心配です…!無理せず自宅の方専念されてください!ずっと待ってますのでー!! (2021年3月4日 0時) (レス) id: 1ee9da6645 (このIDを非表示/違反報告)
ざくろ(プロフ) - カナナさん» コメントありがとうございます!!そう言っていただけてとても嬉しいです(´˘`*)私もこの章大好きです!!秀華ちゃんが理事長の娘である以上、この章に力入れて書きたいと思いますので更新待っていてくださいね(^ ^) (2021年3月1日 1時) (レス) id: d0e69d8f04 (このIDを非表示/違反報告)
カナナ - ざくろさんが書くお話が大好きです!!!!文の表現がとても上手で分かりやすいです。ここから私が好きな章なのでとても楽しみです。これからも無理のないよう頑張って下さい。応援してます。 (2021年3月1日 0時) (レス) id: 6af05f93ab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ざくろ x他1人 | 作成日時:2021年2月23日 23時