245時間目 ページ7
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「ラーメン…だと?」
殺せんせーの言葉に食いついたのはラーメン屋の息子、村松だ。どんぐり粉をペロッとひと舐めして、ふむ…と考え込んだ。
「ちょいきびしいな。味も香りもおもしれーけど、粘りが足りねぇ。滑らかな食感を出すには大量の繋ぎが必要だから…結局その分材料費かかるぜ。」
「それもあります。」
そう言って殺せんせーはむかごという小さなジャガイモのようなものがついたツルを目印に、地面を慎重に掘り進める。すると現れたのはかの有名な高級天然食材、自然薯だ。
「天然のものはとろろにすると香りも粘りも栽培ものとは段違い。つなぎとして申し分ないでしょう。」
どんぐりに自然薯。自然の山にはどこにでも十分に生えている。これらの他にも裏山には天然の食材が沢山。生徒たちは嬉々としてこの山へと繰り出していく。そして大量に採取できたどんぐりと自然薯。
「これで麺の材料の大半が無料。残った資金を贅沢にスープにつぎ込めます。」
「…なるほどねぇ…!だったらラーメンよりつけ麺がいい。この食材の野性的な香りは濃いつけ汁の方が相性がいいし、スープが少なく済む分利益率も高ぇ。」
どんどんと現実味を帯びいてく学園祭の出し物に心が踊る。
ラーメン1種じゃ寂しいからと、集めてきたのはヤマメにイワナ、オイカワなどの魚。更に栗や柿、胡桃に山葡萄、アケビまである。十分なサイドメニューやデザートが作れるだろう。
「そのキノコ鑑定してよ殺せんせー。猛毒のキノコ混ざってたら預かるよ。俺が責任もって捨てとくから。」
「何に使う気よカルマ。」
にこにこと満面の笑みで大量のキノコを持ってきたカルマ。毒キノコなんてカルマに渡してはいけないものランキングトップにランクインする代物だ。だが、カルマの期待とは裏腹に、山ほどのキノコから姿を現したのは貴重なタマゴタケやマツタケ。
「これらを店で買ってフルコースを作れば、1人前3000円はくだらない。ところが、この山奥ではほとんどが当たり前に手に入る。ハンデどころか最大の強みです。この食材は君たちと同じ、山奥に隠れていて誰もその威力に気づいていない。
殺すつもりで売りましょう。
そして、11月中旬の土日…学園祭戦争が幕を開けた。
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麗(プロフ) - 29ページ 頃について 殺せんせーに とかではないのでしょうか? (2021年5月22日 1時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
ざくろ(プロフ) - まなぴすさん» 優しいお言葉ありがとうございます!! 一人暮らしの予習だと思って頑張ってきます(料理以外てんでダメ)…( ˇωˇ ) (2021年3月4日 9時) (レス) id: d0e69d8f04 (このIDを非表示/違反報告)
まなぴす(プロフ) - お母様のご様子が心配です…!無理せず自宅の方専念されてください!ずっと待ってますのでー!! (2021年3月4日 0時) (レス) id: 1ee9da6645 (このIDを非表示/違反報告)
ざくろ(プロフ) - カナナさん» コメントありがとうございます!!そう言っていただけてとても嬉しいです(´˘`*)私もこの章大好きです!!秀華ちゃんが理事長の娘である以上、この章に力入れて書きたいと思いますので更新待っていてくださいね(^ ^) (2021年3月1日 1時) (レス) id: d0e69d8f04 (このIDを非表示/違反報告)
カナナ - ざくろさんが書くお話が大好きです!!!!文の表現がとても上手で分かりやすいです。ここから私が好きな章なのでとても楽しみです。これからも無理のないよう頑張って下さい。応援してます。 (2021年3月1日 0時) (レス) id: 6af05f93ab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ざくろ x他1人 | 作成日時:2021年2月23日 23時