254時間目 ページ16
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物心ついた時から、僕らの家は教室だった。
物心ついた時から、私達の家は教室だった。
父親が教師で、子供たちが生徒。そして、特に教えることがない時は、彼らの間に会話はない。時間を共にする朝食も、ただ黙々と母親の用意した食事を食べるだけ。そこから父親が一足先に学校へ向かい、E組への山道を登るために1人で秀華が家を出た数分後に学秀も家を出る。
秀華はこの家族の形が苦手だった。お父さんが連れて行ってくれたんだ、とテーマパークのお土産を差し出す友人の嬉しそうな顔は今でも忘れられない。学秀とは十分すぎるほどに兄妹として、
「さぁて、この1年の集大成。いよいよ次は学の決戦です。」
殺せんせーのその言葉に、秀華はハッとして顔を上げた。考え事をしすぎてしまった、と大きくかぶりを振った。
「トップを取る心構えはありますか?カルマ君、浅野さん。」
「さぁねぇ…馬鹿だから難しいことわかんないや。」
「…次で最後のチャンスですから。頑張りますね。」
殺せんせーからの問いかけに、カルマは普段と同じように飄々とした様子で答える。秀華も、にこりと笑って答えた。その答えにヌルフフ、と笑って殺せんせーは話を続ける。
「君たちは頭脳も精神も成長した。どんな策略や
不敵に笑って言う殺せんせーに、生徒たちもやってやろうと全員50位以内という目標に燃える。だが、浮かない顔の人物が1人。
「…そう上手くいくでしょうか。A組では、全教科を理事長が教えるそうです…。」
「…そうですか。とうとう……!!」
秀華のその言葉に、生徒たちの顔が曇る。ラスボスの降臨に、ゴクリ…と皆が息を飲んだ。
この暗殺教室が成り立つのに欠かせない人物。賞金首、殺せんせー。教官、烏間惟臣。そして、学園の支配者、浅野學峯。自分の学校を暗殺の舞台に提供する懐の深さと一切揺るがぬ教育への自信。殺せんせーにも劣らぬ授業の腕と異様なカリスマ性、人を操る言葉と眼力。
まさに、
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麗(プロフ) - 29ページ 頃について 殺せんせーに とかではないのでしょうか? (2021年5月22日 1時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
ざくろ(プロフ) - まなぴすさん» 優しいお言葉ありがとうございます!! 一人暮らしの予習だと思って頑張ってきます(料理以外てんでダメ)…( ˇωˇ ) (2021年3月4日 9時) (レス) id: d0e69d8f04 (このIDを非表示/違反報告)
まなぴす(プロフ) - お母様のご様子が心配です…!無理せず自宅の方専念されてください!ずっと待ってますのでー!! (2021年3月4日 0時) (レス) id: 1ee9da6645 (このIDを非表示/違反報告)
ざくろ(プロフ) - カナナさん» コメントありがとうございます!!そう言っていただけてとても嬉しいです(´˘`*)私もこの章大好きです!!秀華ちゃんが理事長の娘である以上、この章に力入れて書きたいと思いますので更新待っていてくださいね(^ ^) (2021年3月1日 1時) (レス) id: d0e69d8f04 (このIDを非表示/違反報告)
カナナ - ざくろさんが書くお話が大好きです!!!!文の表現がとても上手で分かりやすいです。ここから私が好きな章なのでとても楽しみです。これからも無理のないよう頑張って下さい。応援してます。 (2021年3月1日 0時) (レス) id: 6af05f93ab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ざくろ x他1人 | 作成日時:2021年2月23日 23時