129時間目 ページ10
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「よせ、無謀…」
「待ってください。」
烏間がカルマを止めようと声を上げた時、それを遮るように秀華が口を開いた。秀華は気づいた。カルマの変化に。
「カルマは…敗北から何も学べないほど、愚かではありません。」
秀華の言葉に烏間はカルマに目を向けた。殺せんせーもカルマをじっと見つめて、彼を観察する。
余裕をひけらかして相手を見下していた彼とは違う。顎が引けている。油断なく真っ直ぐに正面から相手を観察している。カルマの姿を。
グリップとカルマの視線が交差して、先にカルマが動く。観葉植物をﾌﾞﾝｯとグリップに向かって振り下ろす。しかしそれはいとも簡単にグリップに受け止められてしまう。
「柔い。もっといい武器を探すべきだぬ。」
「必要ないね。」
頭蓋骨をにぎりつぶすほどの握力。1度掴まれたら即ゲームオーバー。普通に考えればまさに、無理ゲー。
だけど、立場が逆なだけでいつもやってんだよね。その無理ゲー。
ふ、と笑みを浮かべながら、カルマはグリップからの猛攻を全て避けるか捌いていた。その様子に秀華はもちろん生徒たちも烏間も舌を巻く。
「…まさか、ここまでなんて…!!」
「烏間先生の防御テクニック、ですねぇ。」
殺し屋。それは相手との先頭になる前に相手を殺す能力に長けた者達。故に防御技術は優先度が低い。だから烏間も生徒たちにそれを教えたことは無い。だが、カルマは生徒たちのナイフを避ける烏間を見て、その防御技術を盗んだのだ。彼の戦闘の才能は頭一つ抜けている。
グリップが猛攻を止めて、避けてばかりのカルマに問うた。
「…どうした？攻撃しなくては永久にここを抜けられぬぞ。」
「どうかな〜。あんたを引きつけるだけ引き付けといて、その隙に皆がちょっとずつ抜けるってのもありかと思って。」
「……。」
「…安心しなよ。そんなコスいことは無しだ。今度は俺から行くからさ。」
ﾎﾞｷﾎﾞｷとカルマは自分の指の関節を鳴らして、不敵に笑ってグリップに言い放つ。
「あんたに合わせて正々堂々、素手のタイマンで決着つけるよ。」
カルマはそう言って、グリップに猛攻を仕掛ける。飛び蹴りに鋭い突き。今度はグリップが後手後手に回る。
そんな闘いを見ながら、秀華がぽつりと寺坂に向かって呟いた。
「ねぇ、彼、今なんて言ったかしら…？」
「正々堂々…って聞こえたな…。」
……いや、ありえないでしょう。
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麗(プロフ) - 6ページ ここまでた のところ た は だ ではないでしょうか？ (2021年5月21日 23時) (
レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
ざくろ(プロフ) - 楓さん» ありがとうございます!!これからも更新頑張っていきたいと思います!! (2021年2月2日 22時) (レス) id: d0e69d8f04 (このIDを非表示/違反報告)
楓(プロフ) - �気�ら一気読みしました！応援しています！これからも頑張ってください！ (2021年2月2日 22時) (レス) id: 8522a45fe7 (このIDを非表示/違反報告)
ざくろ(プロフ) - 安仙任さん» コメントありがとうございます!!これからも頑張っていきたいと思います(^-^) (2021年2月2日 1時) (レス) id: d0e69d8f04 (このIDを非表示/違反報告)
安仙任(プロフ) - とても面白いです！続きを楽しみにしてます！これからも頑張ってください(^^） (2021年2月1日 23時) (レス) id: 80f06437e4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ざくろ x他1人 | 作成日時：2021年2月1日 20時
