88時間目 ページ9
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「…何これ？爆音がしたらプールが消えてんだけど。」
森に轟いた爆音に、寺坂の命令に従わなかったカルマは急いでプールを見に来ていた。そこにあったのは全て水が抜けきり、元の小さな沢があるだけに戻ってしまった岩場。そしてうわ言のように小さく何かをつぶやく寺坂の姿だった。
「…俺は…何もしてねぇ…。話が違げーよ…イトナを呼んで…突き落とすって聞いてたのに…。」
「……なるほどねぇ…。自分で立てた計画じゃなくて、まんまと
寺坂が昨日撒いたスプレーは殺せんせーの粘液を全て外に出し尽くし、水を防ぐ手段を無くすためのもの。そして寺坂はそれに加えて、昨夜直接プールの水に触手の動きがを鈍らせる働きのある薬液を流し込んでいる。皆を助ける殺せんせーの触手はきっと今頃膨れ上がっていることだろう。
秀華の見立ては間違っていなかった。
寺坂はカルマにつかみかかって、八つ当たりのような言い訳のような、そんな言葉を喚き散らした。
「こんな計画やらす方がわりーんだ!!皆が流されてったのも全部奴らが…」
その瞬間、ｺﾞｯと鈍い音が響いた。カルマが寺坂の頬を殴ったのだ。それも拳で。その殴った拳を振ると、カルマは倒れ込んだ寺坂に言い放つ。
「
「……。」
「それと、浅野さんと殺せんせーだけはずっと寺坂のこと心配してたよ。いつもと様子が違う、何かあったんじゃないか、ってね。」
「…!!」
それだけ言い残して走り去っていくカルマの背中を、寺坂は呆然と見ていた。昼休み、自分を追ってきた時の秀華の顔を思い出す。心配。彼女の顔に映っていたのはそれだけだった。
「……あれがバケモンみてーな理事長の娘のする顔かよ。」
自分を心配してくれた人物まで危険に晒してしまった。そして流されてしまったのは自分。
俺はビジョンなんて持っちゃいなかった。
それは寺坂の心を動かした。彼はカルマの後を追って、皆が流されて方へ駆けていく。自分が決着をつけなければいけない。自分は企み事に向いていない。それは分かっている。けれど、操られる相手は誰でもいいわけじゃない。
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ざくろ(プロフ) - ちひろさん» ありがとうございます!!テストが終わりがけに入ったのでどんどん更新していきたいと思っています!!まぁその後に実習があるのでまた更新頻度が落ちると思いますが……笑これからもよろしくお願いします!! (2021年1月28日 14時) (
レス) id: d0e69d8f04 (このIDを非表示/違反報告)
ちひろ(プロフ) - とっても好きです！寝る前に読んで興奮して寝付けないこととかよくあります笑更新がんばってください！ (2021年1月28日 0時) (レス) id: 5d58b6b877 (このIDを非表示/違反報告)
明里(プロフ) - 私生活大事ですので 大丈夫ですよ こちらこそ宜しくお願いしますね (2021年1月26日 1時) (レス) id: b6d4b9ddc0 (このIDを非表示/違反報告)
ざくろ(プロフ) - 明里さん» ありがとうございます！不定期な更新になると思いますが、これからもよろしくおねがいします (2021年1月26日 1時) (レス) id: d0e69d8f04 (このIDを非表示/違反報告)
明里(プロフ) - 去年から見ております なかなかコメントせずすみません 業や浅野さんがお気に入りです 続き楽しみにしております (2021年1月25日 22時) (レス) id: b6d4b9ddc0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ざくろ x他1人 | 作成日時：2021年1月15日 2時
