106時間目 ページ27
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「かっ、カルマ…!?」
「んー？」
「は、ずかし…い。」
「だから言ったじゃん、もっと浅野さんが恥ずかしくなることするって。」
カァ、と顔に熱が集まるのを感じながら、秀華はカルマの胸板を押す。しかし、日頃の訓練のおかげか、中3にしてはしっかりしたその体を押し返すことはできず、されるがままだ。
「……俺も好きだよ。浅野さんのこと、すっげー好き。彼女なって、欲しい、です。」
「…は、い。」
緊張してかたどたどしくなり、いつもの飄々とした様子が一切見られないカルマ。その様子と、抱きしめられているという現実に混乱して、秀華もたどたどしい反応をみせる。
それでも、伝えて、伝えられて。想いあって。
汗ばむことさえ気にならない程、カルマは秀華を抱きしめた。秀華もまた、カルマの背に手を回して抱きしめた。
「じゃ、これから浅野さんは俺のライバルであり恋人って事で。」
「……秀華。」
「え？」
「……秀華って、呼んで欲しいのだけれど。」
「えー……何その可愛いお願い。」
「お願い。」
「…秀華、ね。」
秀華の顔を見てそう言ったカルマに、恋人としての初めてのおねだり。体格差から自然と上目遣いになった秀華を見て、好きな子とこれから過ごしていけることに喜びを感じるカルマ。“彼女”からの可愛らしいおねだりを突っぱねる理由はない。秀華は秀華で名前で呼ばれたことに対して満足気に笑いながら、カルマを見て微笑んだ。
ゴシップ好きの黄色い影が、この光景を見ていたとも知らずに。
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───
和やかな空気が一転して、ここは浅野家。秀華の自室。白とパステルカラーの紫で統一された、清楚かつ可愛らしい部屋。そんな部屋に似合わない重苦しい雰囲気。
「話、あるんだろう。」
「えぇ。」
相対するのは学秀と秀華。日本で最も完璧な双子と言っても、過言ではないであろうこの2人。通じあってきた、ずっと。支え合ってきた、ずっと。その関係が今ここで崩れようとしている。それでも、伝えなければ。そして、思いを聞かなければ。
私は、学秀と家族になりたいのだから。
「……学秀、私はA組には戻らない。」
「それならもう聞いた。」
「えぇ。でも、私がどうしてE組に居たいかを、ちゃんと伝えていないわ。
私には私の思いがあるの。だから聞いて、学秀。」
ポツリ、と夕立の降り始める音がした。
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ざくろ(プロフ) - ちひろさん» ありがとうございます!!テストが終わりがけに入ったのでどんどん更新していきたいと思っています!!まぁその後に実習があるのでまた更新頻度が落ちると思いますが……笑これからもよろしくお願いします!! (2021年1月28日 14時) (
レス) id: d0e69d8f04 (このIDを非表示/違反報告)
ちひろ(プロフ) - とっても好きです！寝る前に読んで興奮して寝付けないこととかよくあります笑更新がんばってください！ (2021年1月28日 0時) (レス) id: 5d58b6b877 (このIDを非表示/違反報告)
明里(プロフ) - 私生活大事ですので 大丈夫ですよ こちらこそ宜しくお願いしますね (2021年1月26日 1時) (レス) id: b6d4b9ddc0 (このIDを非表示/違反報告)
ざくろ(プロフ) - 明里さん» ありがとうございます！不定期な更新になると思いますが、これからもよろしくおねがいします (2021年1月26日 1時) (レス) id: d0e69d8f04 (このIDを非表示/違反報告)
明里(プロフ) - 去年から見ております なかなかコメントせずすみません 業や浅野さんがお気に入りです 続き楽しみにしております (2021年1月25日 22時) (レス) id: b6d4b9ddc0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ざくろ x他1人 | 作成日時：2021年1月15日 2時
