322時間目 ページ3
.
そして時間は昼休み。度重なる追いかけっこに体力に自信のある2人もさすがに息を切らしていた。別教室の2人を、殺せんせーを含めた全員が見守る。
｢なー岡野、頼むから機嫌直してチョコくれよ。｣
｢ふざけんな!! 内申書が欲しいだけでしょ？｣
｢…内申書はこの際チャラ男でいーけどさ…昨日みたいな貰い方じゃ嫌なんだよ。ちゃんと渡して欲しくてさ。その…ゴメンな。気づいてなくて。｣
｢謝ったって無駄だよ。私がここで折れない性格なの知らないの？｣
いつもチャラついたジゴロで、コードネームは女たらしクソ野郎の前原がしらおしく謝っている。それに秀華は思わず目を見開いた。だが、岡野は頑固で一向に前原を許すつもりは無いようだ。
｢知ってるよ！お前の事ならこの1年で全部知ってる！｣
前原の言葉に、見守っていた生徒たちはおぉ…と感嘆の声を漏らした。まるで漫画の中のセリフのようなそれに、岡野もﾋﾟｸﾘと肩を揺らす。
｢…例えば？｣
｢…そーだなー…ハイキックの時見えてんのに見えてないと思ってる事とか。全体的にガサツなんだよ。脳筋だから。
家庭科なんか俺の方がうめーし、借りた漫画はご飯粒で貼り付いてるし、あ、口にもよくついてるよな。どんだけ飯粒推しなんだよ。あとホント暴力がひでぇ!!ちょっと怒ると引っ掻くわ、もっと怒るとミドルキック撃ってくるわ、さらにさらに怒らすとドロップキック撃ってくるわ…｣
ﾍﾟﾗﾍﾟﾗと語る前原に、岡野の怒りが頂点に達する。
だったらこれでも、喰らえ!!
ﾄﾞｯ、と勢いよく彼女の蹴りが前原の喉元を突き上げた。かと思われた。
｢…最高に怒ると、対先生ナイフで喉元を突いてくる。野生すぎんだよお前は…。｣
｢…え？｣
彼女の蹴りは前原に足首を捕まれ、阻まれていた。そして前原の口にはチョコ。岡野の上靴に仕込まれた対先生ナイフはナイフ型のチョコへとすり替えられていたのだ。それを前原が今の一撃のうちに食った。
｢今朝方すり替えておいたのさ。確かにお前から直接貰ったぜ。｣
カッコキモい!!
岡野だけでなく全員の心が一致した瞬間だった。前原は頬を掻いて、照れながら告げる。
｢…な？よく知ってんだろ、お前のこと。第一、興味も無い女のカラオケのハモリ全曲覚えねーよ。｣
｢……ん…。｣
｢お前照れると急に黙るよな。ホント単細胞は嘘つけな｣
｢やかましい!!｣
岡野の蹴りが前原の顔面に入れられたのは言うまでもない。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1037人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「暗殺教室」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
LUNA(プロフ) - 面白かったです！更新楽しみに待ってますね！ (2022年1月23日 0時) (
レス) @page18 id: 255ed81601 (このIDを非表示/違反報告)
えと(プロフ) - 続きはどこで見れますか？ (2021年12月23日 1時) (レス) id: ee7dad60ab (このIDを非表示/違反報告)
あやっち - この作品の続きのタイトルは何ですか？ (2021年11月14日 16時) (レス) id: ad4fac1b86 (このIDを非表示/違反報告)
もものはな(プロフ) - とても面白くて一気に読み進めてしてしまいました笑更新楽しみに待ってます！ (2021年8月26日 18時) (レス) id: 1e90973d0b (このIDを非表示/違反報告)
ざくろ(プロフ) - あいすさん» ありがとうございます！！なかなか更新できませんが、少しずつ進めていきたいと思います。 (2021年8月11日 18時) (レス) id: 026437a4b4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ざくろ x他1人 | 作成日時：2021年4月6日 1時
