321時間目 ページ2
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｢なー岡野、これ受け取ってくれよー!!｣
｢うるさい!!｣
2月14日。男子なら誰もが浮き足立ってしまってもおかしくないこの日。バレンタインデー。
E組でも男子がそわそわとしているのかと思いきや、随分と腰が低い様子で岡野にチョコを渡す前原がいた。厳密には受け取ってもらえていないので、渡そうとしている、が正しいのだが。
｢速攻でいこうぜ。空きスペースにこのチョコパスするから、ワントラップしてすぐまた俺にくれればいい。｣
｢どのツラ下げて司令塔みたいに指示してんだ!!
岡島から内申書の話聞いたんだから!! 私からチョコ貰えばセーフだって?! なおさら絶対やるもんか!!あの覗きダコにチャラ男評価されりゃいいよ!!｣
流石の秀華も状況が把握出来ずに狭間に問えば、昨日チョコを渡そうとしていた岡野に気づかず、2人でカラオケに行って男女の話に敏感な殺せんせーをおびき出す作戦を立てて、しかもそれを岡野に話していなかったというのだ。
｢それは…………なんとも、フォローしきれないわね…前原君のことも、殺せんせーのことも…。｣
｢浅野もお手上げか…。｣
事の顛末を聞いて頭を悩ませる秀華を見て、村松も頭を抱えた。岡野は真っ直ぐな竹を割ったような性格で、考えるより先に体が動く弾丸娘。そんな彼女はこういう策略に巻き込まれるのを何より嫌う。
…このまま拗れて卒業するのは、良くないわよね…。
彼女の前原への思いを秀華を始めとした全員が薄々気づいていただけに、このままでは居られない。
｢岡野さん…少し話を聞いてっわ?!｣
｢ヴッ!!｣
岡野の説得を試みた秀華だが、なんと椅子が飛んできた。素晴らしい反射神経で避けたはいいものの、そのすぐ後ろにいる渚の顔面に直撃した。
｢渚ーｯ?!｣
｢浅野さんでもダメか…。｣
｢当分は誰も岡野の怒りを鎮められねー…。｣
誰かのその言葉どおり、2時間目、3時間目、4時間目…とどんどん時間だけが過ぎていく。あまりの不憫さに、とうとう片岡が殺せんせーに進言した。
｢殺せんせー、もうやめにしてあげたら？ひなたは素直だけど怒らせたら頑固だから、前原君がどう頑張っても絶対チョコは渡さないよ。｣
｢…いいえ、女の子の心ひとつ掴めないようでは…この暗殺教室の卒業資格はやれませんねぇ。優れた殺し屋は万に通ず。異性の扱いとて例外では無いのですから。｣
廊下で岡野を追いかける前原を見て、殺せんせーは静かにそう言った。
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LUNA(プロフ) - 面白かったです！更新楽しみに待ってますね！ (2022年1月23日 0時) (
レス) @page18 id: 255ed81601 (このIDを非表示/違反報告)
えと(プロフ) - 続きはどこで見れますか？ (2021年12月23日 1時) (レス) id: ee7dad60ab (このIDを非表示/違反報告)
あやっち - この作品の続きのタイトルは何ですか？ (2021年11月14日 16時) (レス) id: ad4fac1b86 (このIDを非表示/違反報告)
もものはな(プロフ) - とても面白くて一気に読み進めてしてしまいました笑更新楽しみに待ってます！ (2021年8月26日 18時) (レス) id: 1e90973d0b (このIDを非表示/違反報告)
ざくろ(プロフ) - あいすさん» ありがとうございます！！なかなか更新できませんが、少しずつ進めていきたいと思います。 (2021年8月11日 18時) (レス) id: 026437a4b4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ざくろ x他1人 | 作成日時：2021年4月6日 1時
