4時間目 ページ6
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『調子はどうだ。』
「…酷い環境だけど、勉強はどこでもできるから。でも、自然が多いのは素敵だわ。」
『悠長なことを言ってる暇はない。中間でさっさと1位をとってA組に戻ってこい。』
ﾌﾞﾂｯ…と電話の相手はそれだけ言って通話を切ってしまった。秀華はため息をついて携帯をブレザーのポケットにしまう。
ｻｧｯ…と彼女の横を風が通り抜ける。木漏れ日が綺麗な森の中、秀華は草むらの上にゴロン、と寝転がった。ﾁﾁﾁｯと小さな鳥の鳴き声がはっきり聞こえるくらいの静かな場所。
「おや浅野さん。ここは貴女の休憩場所ですか？」
「殺せんせー…今日は外国へお出かけなさらないんですか？」
そこに現れたのはマッハ20の黄色い超生物の担任、殺せんせー。よく放課後はニューヨークへスポーツ観戦に行くなど海外へ出かけている。
「いえそれが…先日のメジャーリーグのチケットが思ったより高くて…お財布がちょっと…。」
「…先生って意外と管理能力が低いんですね。」
「返す言葉もありません…。」
はぁ、と呆れ気味にため息をつく秀華。その様子を見た殺せんせーはふむ、と考えこんでから口を開いた。
「元気がないのは先程の電話のせいですか？」
「元気がないように見えたんですか？私はいつもこうですよ。まぁ、少し嫌な電話だったことは認めますが…。」
秀華はﾊﾞｯと勢いをつけて起き上がった。足元に放り出してあったカバンを拾い上げて土を払うと、カバンの中を探り始めた。
「可哀想なのでチョコレートあげます。」
「にゅや!!いいんですか?!」
「えぇ、勉強する時には食べますが、基本的に甘いものは苦手なので。いつも余るんです。」
秀華はそう言うと、まだ半分くらい残っている板チョコを殺せんせーに手渡した。殺せんせーはそのチョコレートに目を輝かせて、勢いよく食べ始める。
その様子を見て秀華はｸｽｯと笑って歩き始め、何歩か歩いたところで、振り返って殺せんせーに言った。
「殺せんせー、ここ私のお気に入りの場所なので。先生には譲ってあげられません。テストの採点なら別の場所を探してください。」
「にゅやっ?!何故それを?!」
「触手に赤いサインペンのインクがついてましたよ。それじゃ、さようなら。」
そういうと秀華はヒラヒラと手を振ってその場をあとにした。殺せんせーは静かに彼女の後ろ姿を見送って、触手についた1ミリほどの赤い点を見つめていた。
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ざくろ(プロフ) - ユイさん» コメントありがとうございます!!確かに2番ですね!!!素で間違えてました!!!ご指摘ありがとうございますm(_ _)m (2021年3月16日 6時) (
レス) id: d0e69d8f04 (このIDを非表示/違反報告)
ユイ(プロフ) - 最近読み始め、すごく楽しく読ませていただいています。ふと気になったのですが、出席番号は2番が正しいのでは？と思いました。まだ読んでる途中なので何か別の理由があって1番にしているのであればすみません。作品楽しく読ませていただいています！ (2021年3月16日 4時) (レス) id: 2946381aea (このIDを非表示/違反報告)
ざくろ(プロフ) - プロテインさん» ありがとうございます(*^^*)暗殺教室はとても好きな作品なので更新頑張って行きたいです (2020年10月22日 22時) (レス) id: fa9a4862ad (このIDを非表示/違反報告)
プロテイン - 質が高くて、キャラとの絡ませ方がお上手で、続きがとても気になります( ≧Д≦) (2020年10月22日 19時) (レス) id: 038dc633ea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ざくろ x他1人 | 作成日時：2020年10月19日 2時
