28時間目 ページ30
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その翌日。殺せんせーはさらに分身を増やしていた。残像はかなり雑で別キャラも混ざっているが。その授業後、殺せんせーは疲労で息が上がって、うちわで赤くなった顔を仰いでいる。
「…さすがに疲れたみたいだな。」
「なんでここまで一生懸命先生すんのかね〜。」
生徒たちのその言葉になんともいやらしい野望を語り出す。巨乳大学生が殺せんせーの評判を聞きつけて勉強を教えて欲しいと言ってくる、とか。そんなことあるわけないし、存在自体が国家機密なのだから許されるわけが無いのだが。
「…となって殺される危険もなくなりいい事づくめ。」
「…いや、勉強の方はそれなりでいいよな。」
「うん、なんたって暗殺すれば賞金100億だし。」
「100億あれば成績悪くてもその後の人生薔薇色だしさ。」
「にゅやっ?!そ、そういう考え方をしますか!!」
エンドのE組。成績不振者が落とされるクラスなのだから、その考えは当然だった。その考えを殺せんせーは良しとはしなかった。殺せんせーの雰囲気が暗くなったことに、秀華は気がついた。殺せんせーは顔にバツ印を浮かべて言う。
「今の君たちには…暗殺者の資格がありませんねぇ。全員校庭へ出なさい。烏間先生とイリーナ先生も呼んでください。」
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E組システムの上手いところは一応の救済措置がある事だ。
定期テストで学年186人中50位以内に入り、なおかつ元のクラスの担任がクラス復帰を許可すれば、差別されたE組から抜け出せる。しかし、元々成績下位のうえ、この劣悪な環境ではその条件を満たすのは厳しすぎる。
故にほとんどのE組生徒は救済の手すら掴めない負い目からエグい差別も受け入れてしまう。
皆が校庭に出ると、殺せんせーは校庭のサッカーゴールを隅にどかしていた。どかし終えると、殺せんせーはイリーナと烏間に問うた。
「イリーナ先生、プロの殺し屋として伺いますが、あなたはいつも仕事をする時に用意するプランは1つですか?」
「…いいえ、本命のプランなんて思った通りにいくことのほうが少ないわ。不測の事態に備えて、予備のプランをより綿密に作っておくのが暗殺の基本よ。」
「では次に烏間先生。ナイフ術を生徒に教える時、重要なのは第1撃だけですか?」
「…第1撃はもちろん最重要だが、次の動きも大切だ。強敵相手では第1撃は高確率で躱される。その後の第2撃、第3撃をいかに高精度で繰り出すかが勝敗を分ける。」
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ざくろ(プロフ) - ユイさん» コメントありがとうございます!!確かに2番ですね!!!素で間違えてました!!!ご指摘ありがとうございますm(_ _)m (2021年3月16日 6時) (レス) id: d0e69d8f04 (このIDを非表示/違反報告)
ユイ(プロフ) - 最近読み始め、すごく楽しく読ませていただいています。ふと気になったのですが、出席番号は2番が正しいのでは?と思いました。まだ読んでる途中なので何か別の理由があって1番にしているのであればすみません。作品楽しく読ませていただいています! (2021年3月16日 4時) (レス) id: 2946381aea (このIDを非表示/違反報告)
ざくろ(プロフ) - プロテインさん» ありがとうございます(*^^*)暗殺教室はとても好きな作品なので更新頑張って行きたいです (2020年10月22日 22時) (レス) id: fa9a4862ad (このIDを非表示/違反報告)
プロテイン - 質が高くて、キャラとの絡ませ方がお上手で、続きがとても気になります( ≧Д≦) (2020年10月22日 19時) (レス) id: 038dc633ea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ざくろ x他1人 | 作成日時:2020年10月19日 2時