盲目 ページ6
茜「えっと…ここが2年生の階だけど…マリィ先輩どこのクラスなのか分からないや…」
A「えぇ!?知らないの?」
ただでさえ人が多すぎて誰が誰だか分からないような場所にいるのに、私はお目当ての人の顔すら知らない。
茜ちゃんは知ってるのかな。
キャーーーーーーー!!!!!!
叫び、再び。
茜「中等部出身の1年生だわ。この叫び。知ってる顔がいっぱいいる」
マリィ先輩がいると思われる教室には入学式でちらほら見たような初々しい表情の女の子がたくさんいた。
A「ほんとに有名なんだね!」
茜「中等部の子たちはあんまり好きじゃないけど、私も野次馬してるから一緒だなぁ。笑」
茜「あ、いける!」
教室前の人だかりが一瞬なくなりかけた隙を狙って茜ちゃんが私の手を引いて廊下を走る。
その時だった。
A「あっ_____」
ドンッッッッ!!!!!!
茜「Aちゃん!」
痛ッ………。
???「ごめん!きみ、大丈夫?怪我はない?」
A「はい…」
???「湿布は部室だから…今はちょっと無理だな。痛くなったら保健室に行った方がいいよ。じゃあ気をつけて!」
反対から来た男の人とぶつかっちゃった。
男の人は急いでるのか颯爽といなくなってしまった。部室って言ってたから先輩かな?
茜「大丈夫?」
A「うん、ちょっと待って」
ぶつけたところが悪くてなかなか起き上がれずうずくまる。
『みかげっちきたー!』
『そろそろ授業じゃん!やばい!』
私が倒れたことなんてお構いなしに、人の波は一気に落ち着いた。
???「どうした?昼休み終わるぞ?」
茜「はい、戻ります!」
???「とりあえず気をつけて戻れー。走るなよー!」
A「ごめん、行こっか」
やっと立ち上がって足を引きずりながら歩く。
人の群れが怖かったな…。けど、ひとつの青春みたい!
………
そういえば結局マリィ先輩見つけられてなくない!?
茜「Aちゃんが転んだ時に私だけ見つけちゃった!ごめん!」
もう!!!
私がマリィ先輩を知ることができるのはもう少し先になりそう…?
.
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作者名:ハナ | 作成日時:2022年6月6日 14時