及 川 徹 の 妹 は _ハイキュー_

嫌よ嫌よも？ ページ29

▲side及川




飛雄がこっちに駆け寄ろうとしたとき、甘い匂いと共に甘い声がひなちゃんを呼んだ。

ふわりと弧を描きながら鍵がひなちゃん目掛けて飛んで行く。え、



「……汚い」


ひなちゃんは難なく取ったけど嫌な顔をしてAに渡した。

鍵を投げた人物は白鳥沢のジャージを着ていて見たことがあった。


「ふざけんな」


「おいかーさんパース」


『えっ、わっ！』


何でも投げるな……。

確か、水瀬明(めい)。白鳥沢の正セッターだと、聞いたんだけど…？あれ、そういえば去年もベンチですら見たことないけど。

そんな事を思いながら鍵を開けてドアを開く。

…後ろですごいーギャーギャー騒いでる。





「よろしく、キャプテンたち。俺は水瀬明。大体の指揮は俺が取ることになってる。取り敢えず、各校荷物をマネージャーと一年に預けて集合。そして白鳥沢のコーチから連絡がある」


以上、解散。


と、指揮を取っている水瀬…。水瀬！！えっちょ、まさか！！！


『ひ、ひなちゃん』


「…なんですか」


『ご、ごめん。マッキーたちやめてあげて』


「えー」


うちの所に行ったらマッキーたちがひなちゃんとAをわちゃわちゃしていた。

荷物を綺麗に並べててグッチョブ。


『あの人、ひなちゃんのお兄さん？』


「………………」


明らかに嫌な顔をするので分かった。図星なのか。確か定時制に通ってるって言ってたし…、だから見なかったんだ。

そうかそうか。とひとりでに頷いているとみんなに変な目で見られた。


いやん☆


『はっ、そうだ、マネージャーと一年は指定された部屋に荷物持っていって。部屋にごろごろのついた台あるからそれに必要なものを乗せて持ってきて。一年は置いたらすぐに戻ってきてね』


「りょー」


「はーい」


「………」


「りょ、了解です！」



うん、返事ははい！でしょ！！



　

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