初の休日 ページ28
朝。小鳥のさえずりで目が覚め、うっすら日が差しているカーテンを開ける。服を着替え紅茶を用意し、優雅なひととき。
なんてものは無い。
『痛って…あ、またやっちゃった…』
首と腰に酷い激痛。
起きると目の前は机だった。ペンを握ったまま寝ていたのだろう。書類は一応全て終わらしたので、あとは持って行くだけ。
立ち上がり洗面台に向かうと、薄らと広がった隈に、心底疲れている自分の顔。
『うっっわ。すっごいブスだな。』
自虐したが、悲しくなってきた。
急いで風呂に入り、軍服に着替え書類を持って行く。朝食？そんなのとってる暇はない。後回しだ。
『失礼します。副指揮官です。』
指揮官「あぁ、入れ。」
『失礼します。書類を提出しに参りました。』
ダンボール1箱分くらいの高さに連なった書類の山を指揮官の机に置く。彼は優雅に紅茶を飲みながら、提出した書類をチェックしていた。
指揮官「おぉ、流石だな。次の書類もあるので任せたい…と言いたいところだが、今日は休め。」
『は、はい？』
副指揮官に就任してから、1度も休んだことは無い。1度もだ。39°の熱を出した時も。戦闘で両腕を使えなくなった時もだ。それなのに、指揮官はなんと言った？休めだと？
指揮官「目の下の隈、酷いじゃないか。今日はゆっくり休んでおけ。これは指揮官命令だ。」
指揮官命令、と言われれば何も言い返せなくなる。それを分かった上で言う彼は狡い。
『…分かりました。休暇をとらせていただきます。』
指揮官室のドアをゆっくり閉め、もう1度考え直す。
休み、自体を貰ったことは無い。
つまり、休みの時は何をすればいいのかも、皆目見当がつかない。
『急な休暇は困るなぁ…』
すると、一つだけ考えが浮かんだ。
『よし、行くか。』
目的を決めると、そこに向かって足を進めた。
勿論、やることがなくてただ暇なだけなのは嫌だからだ。
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掛け軸(プロフ) - 嶺緒さん» 気づくのが遅くなってしまいすみません。面白いと言って貰えると、こちらとしても嬉しい限りです。コメントありがとうございました！ (2019年1月6日 14時) (
レス) id: c19dec969c (このIDを非表示/違反報告)
嶺緒(プロフ) - 完結おめでとうございます！とても面白い作品でした…！！次回も楽しみにしています！ (2019年1月5日 17時) (レス) id: 27af552c6a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：掛け軸 | 作成日時：2018年11月10日 18時
