1ミリのチャンス【山口忠】

片想い 3 ページ4

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次の日の朝、教室に入ると





「なぁ山口！」




声をかけてきたのはクラスメイトの岡崎。


岡崎とは必要以上には喋らないくらい

全然仲良くなかったから

急に声をかけられて驚きながらも

「なに？」と返した。






「山口ってAさんと付き合ってんの？」







A………？





なんでそんなこと聞いてくんだろう

と疑問に思いながらも質問に答えた。





「いや…付き合ってるわけじゃないけど」






「え！

付き合ってないのに一緒に登校してんの？！

いいなぁ〜山口」





羨ましそうにそう言う岡崎を見て

なんとなく岡崎がAのことを

どう思っているのか予想がついた。







「もしかして岡崎って…


Aのこと好きなの…？」









「 好きだよ、

まぁでも、1週間前に振られたんだけどな〜」






「そ、そうなんだ……」





良かった………






岡崎の言葉を聞いて

岡崎にはすごく申し訳ないけど、安心した。









「他に好きな人がいるって言われて

振られちゃったよー」








「え………？」






Aに好きな人………？





心臓の鼓動が早くなる。






A、好きな人いるの………？









「で、好きな人誰ですかって聞いたら

さすがに誰かは教えてくれなかったけど

かっこいい人だよって言ってた」






''かっこいい人,,って





もしかして…………







きっと…………ｯ









「ツッキー………？」








いや…でも、

ツッキーに振られて1年も経ってるし

まだ好きって有り得ないか………、









じゃあツッキーじゃないなら誰だ…？






中学の時からツッキーだけを見てきた

Aにとって

1番かっこいい人っていうのは

ツッキーなんじゃないのか……？




ツッキー以上にかっこいい人なんて

いるのか……？









Aの好きな人は

ツッキーかもしれないし、

ツッキーじゃないかもしれない







でも、ひとつだけ

分かってしまったことがある





それは……、









「かっこいい人が好き……か…」









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Aの好きな人は、









俺ではないっていうこと＿＿＿









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