1ミリのチャンス【山口忠】

片想い 9 ページ10

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夏祭り当日


本当は風邪ひいたって嘘言って

夏祭り行かないでおこうかな、

と思ってたんだけど




昨日の夜、Aから



明日絶対に夏祭り来てね！

絶対だよ！！



ってラインがきて


思わず 行くよって返信してしまったから

嘘をつく訳にもいかず、

重い足取りで集合場所へ向かった。









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「え………、」





集合場所にいるのは

浴衣姿のA




だけではなく、

同時に見えたのは

Aの前に立つ

見覚えのない2人の男の人






あれって………っ



もしかして、


ナンパ……………？







どうしよう………





早く助けに行かなきゃ……




でも、俺が行ったところで

Aをどうやって守ってあげれば……




喧嘩になったらどうしよう……







そんなことを考えてしまい

Aの元へ行くことを

拒否するかのように

足がすくんで動いてくれない。








「…………ｯ」







このままじゃAが危ない






分かってるのに、


なんで………ｯ







なんで動いてくれないんだよ……ｯ！









Aを助けてあげられない自分が憎い









早く、






早く行ってあげなきゃだめなのに………ｯ









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「この子、僕の友達なんだけど」








「………！！」








ツッキーの声が聞こえた気がして

顔を上げると




Aのことを守るように

男の人の前に立っている

ツッキーの姿が見えた。









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