あの日俺達がみた影は時間遡行軍最強のツンデレ剣姫だった。参 (ページ42)

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在るべき郷。ページ42

ケジメをつけた。

ケジメをつける。

きっとこの胸に潜んでいる不安と迷いは今の時点でふっ切れた。

私は、大祝Aはやっぱりあの人たちと居なければ意味が無い。

過去にした罪の戒めとして随分と眠っていたがきっともう大丈夫。

もう一度、瞳を閉じて。

そうすれば、きっと戻れるから…───

＊＊

──気がついて瞳を開くとそこには随分と懐かしい天井が見えた。

『んん………』

帰ってきたんだなと実感する。

起き上がろうとすると何だか重くて起き上がるのに一苦労した。

周一面にたくさんの花。

どうやらAは花に埋もれていたらしい。

外は随分と日が暮れて食堂の方からは男達の笑い声が聞こえる。

懐かしい。

会いたい。

そう思うと止まらなくてAは着ていた布を捨てて髪を整え

黒い巫女装束を着て戸を開けた。

庭には水仙が咲いている。

渡り廊下を歩いてどんどんとその笑い声に近くなる度にAの胸の高まりも大きくなる。

ポっと明かりがついている部屋の前に立って深呼吸をする。

もう、逃げたくない。

戸に触れる手が震える。

大丈夫。

私なら、きっと。

スっと戸を開けるとそこには随分と見慣れた顔が並んでいた。

ほら勇気を出して、大祝A。

教えて貰った言葉、教えて貰った笑顔の作り方、

みんなみんな

それは私の在るべき郷の家族達が教えてくれた宝物だった。

『………ただいま、帰りました。』