あの日俺達がみた影は時間遡行軍最強のツンデレ剣姫だった。参 (ページ39)

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同じ夢。ページ39

毎日、毎日、私はどこかで同じ夢を見る。

繰り返し、繰り返し、壊れたように同じ場面が映る。

「……お父様、私もお父様と共に戦場を駆け回りたいです。」

「……お母様、ありがとうございます。私はこの形見を生涯大切に致します。」

一人の少女が

笑ったり、泣いたり、

そんな景色がずっと流れている。

それはどこか懐かしい光景だった。

「お兄様方、私はお兄様方と共にこの島を守り抜きます。」

ここは海の中にある小さな島らしく、四方が広い海に囲まれている。

からからとした潮風、海岸の近くに咲いている檸檬の華。

その中に小さくそびえ立つ城。

鷺が飛んでいる。

『…………まさかっ』

脳裏に一瞬何かを思い出した。

前に聞いたことがある。

私は瀬戸内の小島、大三島の三島城の神主兼城主である大祝鶴姫の甲冑であったという。

もしかしてここは、私の記憶の一部なのかもしれない。

『………あぁ。懐かしい。』

風景が鮮明に目に映る。

ここにずっと居たい。

ここは平和だ。

私はもういろんな感情でいっぱいだ。

苦しい。

嫌だ。

しかし、同時に私はこの後ある悲劇を知っている。

私の主もこの島も

共に違うものの手に渡されようとしている。

嫌だ。

変えたくない。

しかし、そんなことをしたら私はまた時間遡行軍と言われてしまうのも知っていた。