あの日俺達がみた影は時間遡行軍最強のツンデレ剣姫だった。参 (ページ30)

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在るべきもの。ページ30

Aはどうしても知りたくてたどり着いた先は主の部屋だった。

コンコンと戸を叩けば入りなさい、と主の凛々しい声がする。

『主…少し、お話があるのですが。』

主「A…ええ。いいですよ。」

直ぐに察したのだろうか、こくんと頷くと座布団を目の前に出してくれた。

座って、Aは深呼吸をすると、

顔を上げて単刀直入に言った。

『主……私は気になって仕方が無いのです。私は本当にここにあるべきものなのでしょうか。』

主「はて、何故、そのようなことを思いましたか？」

『よく考えてみるとこの屋敷には女っ子一人いない。

政府のものが来るとあなたはすごく慌てた表情をする。

……………そして、』

主「そして…？」

『私は、私は、最近おかしいのです。触れられるだけでそこが熱くて…

気が狂ってしまう。』

主「……A…」

『私はここに本来あるべきでは無いことは承知しています。

そしてこれ以上皆に迷惑をかけたくないのです。主。

私は……………

いえ、私を政府に引渡して欲しいのです。』

主「っ………………それは、それは貴方が本当に望んでいることですか？」

図星をつかれ、Aはドキリとしたが今更食さがることは出来なかった。

『………はい。

私は時間遡行軍に追われている身です。政府にいる方がましでしょう。』

主「……私は、私は誰も止めることは出来ません。

それが貴方の意思ならば、私はそれを突き通します。」

『……………はい。ありがとうございます。主様。』

これはひとつの、私のわがままであり、私の決断だった。