あの日俺達がみた影は時間遡行軍最強のツンデレ剣姫だった。参 (ページ24)

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源氏の光。ページ24

そう言うと髭切はAの顔をムギュっと掴み強引に口付けをした。

『ひっ髭切…』

髭切「なーに？僕ね、怒ってるんだよ。」

『何故だ？』

とろんとした顔に見とれながらも

髭切は平静を装った顔をしてきつい眼差しでAを見つめる。

髭切「君がそんな服を着て、他の男をたぶらかしてくなんて、僕は許せないから。」

『私が醜いか？源氏の髭切。』

胸がズキンと痛み、Aは顔を隠して涙を堪えて髭切に問うた。

髭切「そうだね。

僕をこんなにも翻弄する君はとても醜いよ。そんなに乱れて、時間遡行軍の姫は流石だね。」

皮肉っぽく髭切はAの髪に指を絡めながらつぶやく。

『………………………やだ。』

口を開いたAから飛び出した言葉は予想外で

髭切「…………っ！？」

『嫌だ。お前に嫌って、嫌ってほしくない。

確かにお前は源氏一族の光の剣だ。

そして私は時間遡行軍の姫だ。違う。敵対するべき関係だ。

嫌うのも無理ない。でも、私は、私は前よりもお前のことを好きだと思っている。

だから……嫌いにならないで。髭切。』

月の光とそれに反射したAの瞳の光が髭切の瞳に写る。

髭切「……………っ

Aちゃん。本当に君は頭が固いよね。からかってるの、気づかないなんて。

僕は、君が思っているよりも、汚れてる光であるし、君のことを愛しく思うよ。」

『髭切…そんなことない。髭切は綺麗だ。桜の妖刀のように綺麗に輝いている。

特別な、輝きを。』

髭切「…………はぁ。

もう。怒る気も失せちゃったじゃん。僕はね、少しヤキモチを妬いただけなんだよ。

少し意地悪しようと思ったら励まされるとか、ほんとに君がいると狂う。」

『す、すまん……』

髭切「違う。ありがとう。ますます君のことが好きになったよ。さ、

一緒にみんなのところに行こう。でも、この僕の服を羽織って行くんだよ。」

途端に髭切のいつも笑顔に戻って瞼にキスを落とし上着をかけた。

『…………あぁ。』

優しくかけられる上着をそっと抱きしめてその温もりに包まれながらAと髭切は歩いていった。