あの日俺達がみた影は時間遡行軍最強のツンデレ剣姫だった。参 (ページ16)

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大祝鶴姫。ページ16

主「あなたの元主、大祝鶴姫は歴史上でも悲劇の人物の一人として知られています。

よく書籍化もされていますのでマニアックな方なら知っているでしょう。」

『どんなお方だったのだ？』

大祝鶴姫。

覚えてはいないが、

どこか奥ゆかしい気持ちと懐かしい気持ちで心がきゅうきゅうと締め付けられてくる。

主は微笑むとパネルを操作して、大三島をクリックして大祝鶴姫と調べるといろんな検索結果が出た。

主「大祝鶴姫には兄が二人いて、恋仲となっている人が一人いたのです。」

『恋仲に…？』

その時Aは気付いた。

恋仲にまでしかならなかった、ということは出家をしたか、それとも早く亡くなった、

そう思ったのだ。

主「そのうちの一人の次男の兄は出家をする身になったのですが

長男の兄は若くして戦死してしまったのです。」

『兄が…？』

主「はい。そうして怒った鶴姫は鎧を身につけ、仇討ちをし初陣をおさめます。

しかし、次は恋人の越智安成が戦死してしまいます。」

『恋仲の方がなくなってしまったのか。』

主「はい。そしてその戦をあげる前日安成と鶴姫はこの戦を終えると結婚しようと言っていたところなのです。

しかし安成は戦で最後まで奮闘して戦死してしまいます。

鶴姫はまた怒り、相手の首は取れませんでしたがそしてまた勝利をおさめたのです。」

『そんな……』

主「そうして、鶴姫は二回の勝利を得ましたが愛する兄と恋人を亡くし嘆き悲しみ約二十歳という若さで亡くなってしまったのです。」

『…………』

Aは何も言うことが思いつかなかった。自分の主がそれ程強く尊敬に値するものなのにそんなに若い歳で悲しみながら死んだことを。

いつの間にか、Aの目からは一筋の涙が流れていた。