あの日俺達がみた影は時間遡行軍最強のツンデレ剣姫だった。参 (ページ15)

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覚悟と昔。ページ15

今までは己のことを知ろうだなんて、思ってもみなかったし、

もちろん、そんな覚悟もなかったと思う。

ただ今、Aは向き合おうとしている。

そしてそれを誰よりも知っていたのはAであった。

生半可な気持ちなど、今はさらさらない。

主の部屋に刀剣男士達を沢山集めて、自分について聞いてみることにした。

山姥切「全員集まったか。」

三日月「で、A。覚悟は出来たのかい？」

『あぁ。勿論。だから私は今皆を呼んでいる。済まないな。無駄な時間を取らせてしまう。』

燭台切「無駄なんて言わないで。Aを楽にさせてあげたい。

自分達に出来ることがあったら、なんでもするよ。」

小狐丸「えぇ。では、話し始めてください。ぬしさま。三日月。」

三日月「あぁ。」

主「覚悟はいいですね。

自分たちの調べによると、貴方、大祝Aは室町時代後期、

つまり戦乱の世の初めの頃に、大三島の神職、大祝家の鎧だということが分かりました。」

パネルがうつされ、そこに、自分の鎧と瀬戸内海の小島が目にはいった。

『大祝家…』

主「はい。そして大祝安用の娘、大祝鶴姫専用の鎧となっているのです。

貴方の華奢な鎧、胸の部分に膨らみがある女性が来やすい特注のものは全国でひとつしかないと言われます。

そのくらい、とても珍しいものなのです。」

確かに、とAは思った。女性的な体つきの鎧だと思っていたが、

昔の主が女だったなんて、と半ば分かってるような、分からないようなそんな気がした。

『ありがとう。……出来ればもっと、教えてくれ。その、私は今意思でそれを知りたいと思っている。』

あまり言ったことの無いことを口にした後、刀剣男士達を見渡すと、とても穏やかな顔をしていたのが分かった。