探偵事務所“AmBitious”【3】

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『私、15年ぐらい“空”にお世話になってきてんな』


『でも私は“空”に何にもできてないねん』


『やから“空”に恩返しがしたい、感謝を伝えたい』





小「…それ、俺も依頼してええ？」


小「たくさんわがまま言ってきたし、」


小「…俺のせいで大きな怪我した職員さんもおるねん」







サラッとすごいことを言う小柴。





小柴は“空”に入ってイヤイヤ期を迎えたレアケース。




母親からの虐待の末、イヤイヤをすることができなかったのだ。





そして溜め込まれたイヤイヤ期を発散するかのように、
普通の子よりも大きく暴れることが多かった小柴。




物を投げ、職員の額にぶつけてしまったことがある。



その職員は3針縫うことになって、
最後に面談に行った時はまだ傷が残っていたという。







小「俺とAからの依頼、AmBitiousで受けてくれませんか」







小柴が周りにいるメンバーを見渡す。





他のメンバーも目を合わせあい、いちばん注目を受けていた岡が言う。







岡「…AmBitiousにお任せあれ、全力で頑張ります！」







他のメンバーも笑顔で深く頷く。







『…ありがとう！』


『皆とAmBitiousで活動できる私、幸せもんやなぁ』





小「皆Aが良い人やから、一緒におりたいからやで」


小「本当の家族を知らんはずの子が一番人を思いやれてるし」





吉「“空”は職員さんが親みたいに接してくれるやん？」


吉「たくさんの親に見守られてすくすく良い子に育ったんやね」





浦「え、なんでそんな太郎くん詳しいん？」







皆が疑問に思ったことを代弁してくれた浦。







吉「中学の職業体験で“空”に行ったからやな」







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