風紀を乱せ、二度目の恋。【少年忍者】 (ページ7)

今日:14 hit、昨日:33 hit、合計:169,755 hit

07. ページ7

.

私が座った1席前の椅子を半回転させて座った光成。

2人分あった書類にひたすら目を通していく。

どうしても無言になってしまうが、

集中しているからと勝手に理由づけ。

ひと通り読み終わったから、と

休憩の意味も込めて顔を上げれば

何故か頬杖をつきながらこっちを見ている光成。

その姿にドキッとしたけど平常心を保ちながら

『もう、読み終わったの？』

と声を掛けてみる。

「軽く、だけどね笑」

「気づいたらAの顔見てた笑」

なんてレスポンスは予想外すぎてもうキャパオーバー。

「あ、遅くなったけど2年4組の檜山光成です」

「2人で活動すること多くなるけど一緒に頑張ろうね」

と言って差し出された手。

今までの事がなかったかのような言動に動揺が隠せない。

これは、私も自己紹介する方がいいのか…？

『…2年3組AAです』

『足引っ張っちゃうかもだけどお願いします…』

「はは笑なんで敬語なの～笑」

『久しぶりに話すから…』

「これからほぼ毎日会うわけじゃん？」

「早く慣れてってね？」

と言って頭を撫でてくる光成。

ほら、そういうところが緊張するポイントなんだよ。

…？

ほぼ毎日会うの？

「ん？なんかあった？」

『え、あのほぼ毎日会うってなんで？』

当番も毎日じゃないしクラスも違うのに、と

加えて話してみれば

「やっぱりまだ全部プリント読めてないじゃん笑」

なんて言いながら私の手元にあった書類を取り上げる。

その1枚のプリントを裏返して見せながら

「ここに書いてあるよ？」

「“委員長及び副委員長は当番制除外、

　違うペアなら残った男女で組み直す”

　“委員長及び副委員長は月・水・金の当番と一緒に挨拶運動、

　火・木は忘れ物ボックスの整理と雑務を行う”って」

裏面あるなんて知らないよ…。

「改めて、よろしくね？」

もう一度差し出された手を今度こそは、と握り返し

『…よろしくね』

と喉から上手く出ない声を無理やり紡いだ。

.