風紀を乱せ、二度目の恋。【少年忍者】 (ページ26)

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昨日から光成に話が聞ける、とずっとドキドキしていた。

そのドキドキは、

まだ自分に希望があるんじゃないかって

期待しているからなのは

誰かに指摘されなくたって分かっている。

…でも、その少しの希望に賭けたいと思っている。

『失礼します……あれ？』

いつもは早く来る光成がいない。

一昨日は掃除がなかった私より早かったし、

光成のクラスの担任は掃除当番を週替わりに設定する人、

つまり光成は掃除じゃない。

何か用事があったのかな…？

1人でできるところまでやっておこう、と

静かな風紀室で作業を始める。

檜「……ごめっ、遅くなった」

廊下から走る音がするなって思っていたら

その足音の持ち主は光成だったらしい。

別に時間のかかる作業があるわけじゃなかったし、

私の話もそんなに重要な事じゃない。

それでも走って来る光成はやっぱり責任感があるんだろう。

『そんな走らなくて良かったのに…笑』

檜「いや、でも結構遅くなったでしょ？」

そう言われて壁に掛かった時計を見てみれば

私が風紀室に入った時から30分以上経っていた。

『…確かに、ちょっと遅かったかも』

檜「ほんっとごめん」

『いいよいいよ、私もそんな時あるしさ！』

明るく返したつもりだけど、光成の表情はやっぱり晴れない。

檜「…仕事、何が残ってる？」

『あー、今日は忘れ物ボックスの整理だけだったし

　5分ぐらいで終わらせちゃった笑』

檜「そっか、ありがとな」

『いえいえ、今日はすぐ終わる作業だったしね』

そう言えば私が座る向かいに腰を下ろす光成。

表情は少し深刻そうで見てるこっちも背筋が伸びる。

檜「…聞きたい事、って何？」

『あ、そんな重たい話じゃないよ…？』

檜「いや、分かんないじゃん？笑」

そう笑った光成はいつもの光成だ。

『…あの、藤妻さんと付き合ったって聞いたんだけど…』

一言、その一言で光成の表情が固まる。

やっぱり聞かない方が良かったのかも。

『なんで付き合ったんだろう、って』

『…私が踏み込むような事じゃないとは思ってるよ！？』

『でも1年の時に思ってた事が一緒だったのかが知りたい』

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