風紀を乱せ、二度目の恋。【少年忍者】 (ページ22)

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言い逃げしてきちゃったからもう戻れない。

このまま家に帰るのもどこかすっきりしない。

…光成、俺のチームはオフって言ってた。

オリは光成と別のチームである事を

夏休みに見に行った発表会で知っている。

オリ、いるかな？

いたら話聞いてもらおう、なんて

軽い気持ちでダンス部の活動場所へと向かった。

ダンス部は体育館とかで活動してるわけじゃなくて、

4階にある壁がないオープンな広場を使って練習している。

だから通りすがりとかでも見ることができるし、

気楽に見に行きやすいってこと。

4階まで行けば、広場はもう少し向こうのはずなのに

音楽がうっすらと聞こえてくる。

活動場所に到着すれば、

オリのチームが同じ練習着を着て踊っていた。

部長だけどセンターに立ち続けるわけじゃなく、

皆が目立つことができるように、と

考えられたフォーメーション。

全員が創りあげるその空気感に

吸い込まれるような感覚を覚えた。

織「あれ、A来てくれたの？」

鏡越しに目が合ったから気づいたオリが、

1曲終わったタイミングで話しかけてくれた。

『うん、委員会早く終わったから笑』

織「檜山、今日オフだけど来たの？」

『オフだから来たの』

織「何か意味深だね」

“せっかくなら入って座ってよ”と

近くにある椅子へと連れていってくれた。

練習してる皆のところへ向かい、

織「私情混ぜるの申し訳ないんだけど、

　海流のチーム先に通しやっといてくんない？」

身長高めの男の子が“あ、了解っす”と答えてたけど、

あの子は海流くんじゃなかったはずだから

同じチームの子なんだろうな。

なんて考えていたらオリが戻ってきた。

織「引きずってるんでしょ、檜山が付き合ったこと」

『…まあね』

いつも以上に優しい口調が涙を誘う。

でもダンス部の活動場所でさすがに泣く訳にはいかない、と

必死に気持ちを落ち着かせる。

織「お節介だとは思うんだけどさ、

　 1回檜山と話してみるべきだよ」

…オリの言う意味が分からない。

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